整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

ハンソンピン

ハンソンピンのピットフォール

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先日、大腿骨頚部骨折に対する手術がありました。

選択した内固定材料は、ハンソンピンです。


ハンソンピンによる骨接合術は、非常にオーソドックスな手術だと思います。しかし、思わぬところで足をすくわれたので、その pitfallを共有したいと思います。


イメージを見ながら、普通にハンソンピンを挿入したのですが、中枢側のピンが80mm、末梢側のピンが100mmでした。2本の長さの差は、20mmもあります。


通常、2本のピンの長さの差は、10mm もしくは15mmしかありません。しかし、なぜか今回は、20mmと比較的大きな差ができてしまいました。


少しおかしいな? と思ったものの、術中イメージはそれほど問題無いという判断で手術を終了しましました。


ところが、その術後単純X線像を確認すると、中枢側のピンが少し短いのです。中枢側のピンが、あと5mm長ければ通常の術後単純X線像です。


しかし、中枢側のピンが5mm短いため、やや不細工な術後単純X線像になってしまいました。おそらく術後成績にはあまり関係ないとは思いますが、何となく格好悪いです。


2本の長さの差が20mm以上では、中枢側のピンが少し短い可能性があります。このような場合には注意が必要かなと感じました。





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壊死併発の頚部骨折は抜釘するべき?

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1年前のことですが、50歳台の患者さんが転倒して大腿骨頚部骨折を受傷しました。単純X線像ではGarden stage 3でしたが、若年だったのでハンソンピンで緊急手術を施行しました。


そして、術後3ヶ月後に股関節のMRIを撮像したところ、残念ながらtype C2の広範な大腿骨頭壊死を併発していました。受傷後5時間以内に手術を施行したのに残念です。


壊死を併発したのは仕方ないですが、内固定材を抜釘するべきか否かで迷っています。大腿骨頭壊死症でtype C2の場合、10年以内に50%程度の確率で大腿骨頭の圧潰を来たします。


今回の患者さんはやや大柄な男性なので、比較的早期に圧潰が発生することが予想されます。ただ、現時点では全く何の症状もありません。


下肢の骨折手術後の抜釘術は、術後1年前後で施行するケースが多いです。しかし、いずれ大腿骨頭が圧潰することが予想されるので、THAを施行する際に抜釘することも可能です。


また、現在挿入されている内固定材が、ある程度は壊死骨の支柱となっている可能性も否定はできません。抜釘によって大腿骨頭圧潰が発生すると患者さんとの信頼関係が損なわれます。


このようなことを検討した結果、現在大腿骨頭に挿入されている内固定材(ハンソンピン)は、抜釘せずにこのまま置いておくことにしました。


そして、将来的に大腿骨頭の圧潰を併発すればカットアウトするリスクがあるので、早々に抜釘術とTHAを施行する方針です。できれば長期間にわたって圧潰せずにもって欲しいものです。




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大腿骨頚部骨折術後は免荷が必要?

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高齢者の大腿骨頚部骨折でGarden stage 1~2は、
CCSやハンソンピンなどの骨接合術を選択する施設が多いと思います。


私は回復期リハビリテーションも担当しているので分かるのですが、後療法は施設間のバラつきが大きく、術翌日から全荷重を開始する施設から3週程度免荷する施設までさまざまです。


私は、術後2~3週程度は免荷する派なのですが、これは術直後から全荷重を許可している施設の症例では骨折部が偽関節化する率がやや高い印象を抱いているからです。


高齢者の大腿骨近位部骨折の治療における最大の目的はADLの維持でなので、可能なかぎり早期から歩行訓練を開始することは理に適っています。


しかし、大腿骨転子部骨折の髄内釘やCHSと比べて解剖学的にも固定性が良好とは言えないので、全例を術翌日から全荷重歩行させるのは少しやり過ぎのように思えます。


この免荷期間のおかげかは分かりませんが、私は高齢者であってもGarden stage 1~2なら偽関節化や大腿骨頭壊死症の併発をほとんど経験したことがありません。


私が荷重開始を許可する目安は、単純X線像で仮骨が見え始めた(骨折部が硬化し始めた)時です。順調に行くと術後2~3週で骨折部の硬化を確認できます。


万が一にも骨折部が偽関節化したり大きな大腿骨壊死症を併発すると後のリカバリーショットが大変なので、極力初回手術で終了できるように後療法を調整しています。



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小柄な方のハンソンピンは要注意

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昨日の午後は、大腿骨頚部骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
私は、ハンソンピン(正確にはHOMS技研のSB FIX)を使用しています。


ハンソンピンは髄内釘やCHSと比べて刺入部位や角度を自由に設定できることがメリット(?)ですが、昨日の例ではこのメリットを生かし切れずに失敗しそうになりました。


患者さんはかなり小柄な方だったのですが、深く考えることなく通常通り、刺入角度を頚体角に合わせてリーミングしました。計測の結果、近位側のピンの長さが63mmでした。


60mmにするか65mmにするかを少し迷ったのですが、特に気にも留めずに「65mmを出してください」と言ったのですが、よくよく聞くと65mmが最も短いピンだったようです。


幸い、2本とも既製品での対応が可能でしたが、刺入角度が小さかったら60mmしか挿入できなかったかもしれません・・・。私の頭からピンの長さに下限があることが抜け落ちていたのです。


ハンソンピンの際には、小柄な方は頚体角よりもやや大きめの角度で刺入することが正解かもしれません。いずれにせよ、最短のピンの長さは頭の片隅に入れておくべきだと思いました。



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RA+大腿骨頚部骨折の当日手術

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昨日のお昼過ぎに、御世話になっている大学の先生から電話がありました。大学の外来に大腿骨頚部骨折の患者さんが受診したのですが、満床のため対応できないのでそちらで治療をしてもらえないかとのことでした。


患者さんは60歳台で関節リウマチ+B型肝炎の治療を受けているそうです。過去にMTXで肝機能障害を併発したようで、PSL 10mg + ETN にて治療しており、更にバラクルードも服用しています。


20年前の発症のムチランス型RAで、これまでに環軸椎後方固定術・両TKA・右THAを施行されているそうです。これだけの既往を聞くと腰が引けてしまいますね(笑)。


しかし、いつもお世話になっている先生からの依頼なので引き受けることにしました。午後15時ごろに到着されて単純X線像をみると、外反嵌入型ですが定義上はGarden stage 3でした。しかし、カルカーの転位は1mm程度です。


股関節の関節裂隙は狭小化していませんでしたが、関節リウマチなので人工骨頭挿入術を行うと将来的にcentral migrationする可能性があります。しかも、PSL + ETN +バラクルード投与中という易感染性がベースにあります・・・。


このような諸条件を勘案して、まずはハンソンピンで経皮的に骨接合術を施行することにしました。大腿骨頭壊死もしくは偽関節を併発した場合には、後日THAにコンバートするという戦略です。


16時から執刀開始して17時に病棟に入院となりました。いわゆる当日手術で、いつもながら我が病院は機動性が高いです。まずは1ヵ月程度免荷して経過観察しようと思います。


※ ハンソンピンの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の
運営するサイトから自由にダウンロードしていただけます。



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