本日の午前は外来でした。新患を診察する前に問診表を確認しますが、極端な問診表を目にすると、どうしても患者さんの第一印象に対するバイアスが掛かります。
今日も「最近、体を動かすことが億劫になってきたので入院でのリハビリテーション希望」という少し芳しい匂いを予想させる問診表を記載した患者さんが初診されました。
正直、どんな患者さんが入室してくるのか身構えましたが、よくよく話を聞いてみると歩行時に下肢の脱力感が出てくるため外出するのが億劫になったようです。
たまたまMRIでキャンセルが出たので腰椎MRIを施行したところ、L4/5で中等度の脊柱管狭窄を認めました。検査結果を説明してオパルモンを処方すると喜んで帰って行きました。
あまりに極端な問診表や、通常ではないルートで診察室にやってくる患者さんには悪い方向のバイアスが掛かりがちですが、やはりしっかりと話を聞いて診察に臨むべきだと思います。
患者さんは医療の素人なので、問診表の書き方・病院での立ち振る舞い・医療機関へのアプローチ手法が私達医療関係者の常識から外れることもあります。
今日の方の「最近、体を動かすことが億劫になってきたので入院でのリハビリテーション希望」という問診表も、もしかしたら私以外の方から見ると普通の訴えなのかもしれません。
「自分の常識は世間の常識ではないかもしれない」という気持ちを常に忘れないようにして、できるだけ診察や治療にバイアスが掛からないように心掛けるべきだと改めて思いました。
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