整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸シリンジ製剤の注意点

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整形外科医にとって、ヒアルロン酸製剤は非常にポピュラーな薬剤です。外来のある日で、この製剤を触らない日は無いと言っても過言ではないです。


ところが、この
ヒアルロン酸のシリンジ製剤には、清潔操作を維持する上で、多少の注意点があることを知りました。




シリンジ製剤は完璧に滅菌されているわけではない


ディスポシリンジはパッケージに梱包されているため、一見すると完全滅菌されているような印象を受けます。


しかし、メーカーの説明では完全に滅菌されているわけではないとのことでした。このため、術中に使用する場合には、シリンジ製剤ではない方が安全かもしれません。




多量の薬剤を吸うと不潔になる


スベニールなどにはシリンジに線(ライン)がひかれています。このシリンジまでなら他の薬剤(例えばステロイド)を吸っても問題ないです。


しかし、このラインよりも引きすぎてしまうと、滅菌状態を維持できないそうです。このため、実質的にシリンジを利用して他の薬剤を吸うのはステロイド製剤に限られます。


キシロカインやオムニカインなどを5ccほど混注したい場合には、10ccシリンジで3剤(ヒアルロン酸製剤、ステロイド、キシロカイン)吸うことをお勧めします。







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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








交通事故でもヒアルロン酸製剤OK?

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今日の午前は外来でした。交通事故で受傷した脛骨膠原骨折に対して関節内骨折観血的手術を行った患者さんが来院されました。


この方は膝関節内側の痛みを訴えるので、抜釘時に関節鏡も施行しています。術中所見では膝関節内側に軟骨欠損をみとめ、典型的な変形性膝関節症の所見でした。


変形性膝関節症に至った原因は定かではありません。しかしご本人がおっしゃられるには、膝関節痛は事故後に発症したとのことでした。


抜釘時に鏡視下滑膜切除も施行していますが、痛みは変わらないとのことでした。こうなってくると損害保険での治療が難しくなってきます。保険を全く考慮しないと関節腔内注射の施行となります。


しかし、一般的なヒアルロン酸製剤の関節腔内注射の適応は加齢による変形性膝関節症であり、交通事故絡みでは損害保険会社が認めないと思っていました。


外来でその旨を説明したところ、患者さんが損害保険会社に確認しました。するとヒアルロン酸製剤の関節腔内注射も事故による外傷性膝関節症として治療費の支払いを認めるとのことでした。


本当かなと思って当方も損害保険会社に確認したところ、治療費の支払いを認めるという回答でした。今まで交通事故でヒアルロン酸製剤はご法度だと思っていましたが、その固定観念が破られてしまいました。


整形外科医にとっては、患者さんと損害保険会社の争いに巻き込まれる序章になりそうなので、あまりいい話ではありません。しかし、交通事故の被害者にとっては朗報なのでしょうか???




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健康食品やサプリメントを考える ~グルコサミン、コンドロイチン~

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健康食品やサプリメントを考える その2 のつづきです


③その他の健康食品は、客観的な効用・効果が全く証明されていません。仮にメタアナリシスを行っても有意な効果が証明されることはまず無いでしょう。


整形外科医になじみの深い(?)健康食品にグルコサミンやコンドロイチン硫酸があります。グルコサミンは滑液の成分であるヒアルロン酸を構成する物質で、コンドロイチン硫酸は関節軟骨の成分です。


グルコサミンやコンドロイチン硫酸は、高齢者の関節痛に効果があると宣伝されています。これらの成分は関節軟骨や滑液の構成物質なので、経口摂取することですり減った軟骨の再生を促したり、滑液の補充になるという理屈だそうです。


しかし、これらが効果を発揮するには2つの大きな壁があります。一つ目はヒアルロン酸もコンドロイチン硫酸も分子量が大きく、経口摂取しても吸収されないことです。この問題をクリア(?)するために、ヒアルロン酸よりも分子量が小さなグルコサミンや、コンドロイチン硫酸の中でも特に低分子の物質が使用されています。


2つ目の大きな壁として、仮にグルコサミンやコンドロイチン硫酸が体内に吸収されたとしても、これらの物質が都合よく関節に到達して軟骨の再生や滑液の増加を促してくれるのかという問題があります。感覚的には経口摂取した成分の1/10000~100000でも関節に到達したら御の字かなと思います・・・。


整形外科医の常識では、ヒアルロン酸の関節腔内注射においてヒアルロン酸の分子量が大きければ大きい程、関節痛の除痛効果を見込めます(例えばサイビスク)。しかし市販の健康食品は経口摂取という高いハードルをクリア(?)するために、分子量が低いほど関節の除痛効果を期待できる良質な健康食品(!)というワケの分からないロジックがまかり通っています。


以上を総括すると、グルコサミン・コンドロイチン硫酸・ヒアルロン酸の経口摂取は、消費者の無知につけこんだ詐欺的な商品としかいいようがないです・・・。ただ、書いていて気付いたのですが、やはり整形外科医でなければこれらの知識は無いため、業者のセールストークに騙されても仕方がないのかもしれないと思いました。


もしかしたら、他科の医師でさえもこれらの健康食品が関節痛に効くと思っている方がいらっしゃるかもしれません。整形外科医の役割として、健康食品に騙されないように啓蒙することも必要かなと思いました。


※ 私は外来で患者さんに健康食品やサプリメントの効用について訊かれると、『さほど体に悪くはないでしょうがドブにお金を捨てているのと同じなので、そのお金で美味しい食べ物を食べる方が心が豊かになると思います』と答えるようにしています。

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