先日、外来で60歳台の患者さんが踵部痛を主訴に初診されました。
「踵~足底痛」とくれば、こちらでご紹介した3疾患が思い浮かぶと思います。


  1. 足底腱膜炎:足底腱膜の停止部の炎症。中~高齢者に多い
  2. 踵部脂肪褥炎:踵部脂肪体の弾力低下で踵骨へ直接負荷がかかる。中~高齢者に多い
  3. Heel Fad Pad Syndrome:踵部脂肪体と踵骨の間に発生する剪断力が原因。スポーツ愛好家などの若年者に多い


スポーツ選手や学生が多い特殊な(?)環境でなければ、普通は①もしくは②となります。①②の鑑別は、圧痛部位と単純X線像での踵骨骨棘の有無でしょうか。


ややこしいので、私は、踵骨骨棘アリ=足底腱膜炎、踵骨骨棘ナシ=踵部脂肪褥炎という風に覚えています。ちょっと安直過ぎますね(笑)。


治療は、足底腱膜炎はおなじみのアーチサポートですが、踵部脂肪褥炎ではヒールカップを選択します。踵骨骨棘ナシ=踵部脂肪褥炎=ヒールカップ ですね(笑)。


私の勤務先にはヒールカップを常置していないのでネットでの購入を呼び掛けています。本当に購入できているのか否かはやや疑問ですが、いまのところクレームは一件もないです。






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