整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

ボタンホール変形

非開放性ボタンホール変形の治療

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先日、アメフト部の学生が、中指のボタンホール変形で初診しました。3ヵ月ほど前の練習中に中指を突き指したそうです。


そのまま放置していたところ、徐々にPIP関節が曲がってしまったので思い切って受診したとのことでした。診察すると、既にPIP関節に屈曲拘縮を併発しています。


開放性の伸筋腱中央索損傷が原因であるボタンホール変形では、手術治療が第一選択です。しかし、非開放性の伸筋腱中央索皮下断裂症例では、保存治療を選択することが多いです。


今回の症例の場合、既にPIP関節の屈曲拘縮を併発しているので、まずはPIP関節の拘縮を改善する必要があります。その後に、PIP関節を伸展位に固定するスプリントを常用します。


装着期間は4週程度でOKという文献が多いですが、その程度の期間では少し不安を感じます。腱性マレットに準じて8週間ほど固定した方が安心な印象です。


しかし、今回の症例は既に拘縮をきたしていることから考えても、保存治療ではなく手術治療も検討するべきかもしれません。ボタンホール変形に対する手術法はたくさんあります。


最も有名なのはMatev法です。Matev法では、両側の側索を段違いで切離して、短い一方を中央索に移行し,長い一方を交叉して他方の側索の末梢に縫合して終末腱を延長します。


このように、非開放性のボタンホール変形は伸筋腱中央索の皮下断裂であるため、開放性のボタンホール変形と少し治療方針が異なるので注意が必要だと思います。




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陳旧性長母指伸筋腱損傷(陳旧性EPL損傷)

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今日の午前中は陳旧性長母指伸筋腱損傷の手術でした。
受傷後1ヵ月目での紹介例です。


手指伸筋腱損傷は受傷部位に注意する必要があります。
長母指伸筋腱(EPL)がMP関節より中枢で損傷している場合には、放置しておくとどんどん中枢に退縮します。正確にはexpansion hoodより中枢で損傷した場合におこります。


したがって、受傷からやや時間が経過している場合は、
より中枢での試験切開が必要となる可能性があることを説明するようにしています。


あと、有名な話ですがPIP関節背側で伸筋腱が断裂した場合には、
遅発性にボタンホール変形が出現します。


これはcentral slipが損傷してもlateral bandの作用で、しばらくはPIP関節が伸展可能なためにおこります。整形外科医が全例初療できれば、このような事態にいたることは無いと思いますが、実際問題としてマンパワー的には不可能です。


せめて、整形外科医として初療する場合には、これらの点を考慮してフォローしていこうと思います。





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