整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

マーキング

上腕骨外顆骨折では皮切位置が重要!


先日、小児の上腕骨外顆骨折の手術がありました。
上腕骨外顆骨折は、小児の骨折の中でも難易度の高い手術のひとつです。


手術が上手いくか否かは、手術前の段階から始まっています。一般的に肘周囲骨折では軟部組織が高度に腫脹します。このため、至適位置に皮膚切開を加えることが難しいです。



555 - コピー



上図は正常例の肘関節側面像ですが、上腕骨顆部の肘頭窩部(8の字の中心部)を透視下にマーキングします。こうすることで正確な側面から骨折部にアプローチすることが可能となります。


通常、上腕骨外顆骨片は伸筋群に牽引されるので掌外側に転位しますす。このため、外顆骨片を触知して、その直上に皮膚切開を加えると前方過ぎることが多いのです。


小児の肘関節はとても小さいので、皮膚切開の位置がイマイチだと術中操作で苦労します。このため、手術を始める前からスムーズに終了するための闘いが始まっているのです。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








皮膚切開マーキングの工夫


先日、大学から医師を招聘して手術を執刀していただきました。
同門なので普段から交流はありますが、一緒に手術に入る機会はあまりありません。


このため、興味深く手術手技を拝見させてもらいました。やはり同門医師といえども、私とは流儀が違います。皮膚切開前から「あっ」と思うことがありました。


通常、皮膚切開部に皮膚ペンでマーキングを行います。閉創の際に縫合部がずれないように、皮膚切開に直交するラインを1cm間隔で引き、円刃の背で軽くマーキングします。


こうすることで閉創の際にも創がずれなるので実践されいる方は多いと思います。しかし、今回の医師は円刃の背でマーキングした後に、もう一度皮膚ペンでラインを引いていました。


結構しつこく円刃の背でマーキングした部位に皮膚ペンでラインを引く姿に思わず笑いそうになりました。しかし、閉創の際に皮膚のマーキング部位がくっきりと確認できました。


従来の皮膚ペン後に円刃の背でマーキングするだけの場合と比べて、その後に皮膚ペンでラインをもう一度追加で引いた方が明らかにはっきりとマーキング部位を視認できます。


術野を洗浄するので、従来法ではマーキングが薄くなって部位が良く分からなくなることが多いです。しかし、この方法だと最後までマーキングがくっきり分かります。


つまらないことかもしれませんが、私はこの工夫に感心しました。早速、翌日の手術から実践させてもらいました。先日も述べたように多様性は重要だと思いました。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








術前作図用のおすすめ色鉛筆


最近は3Dテンプレートを利用できる医療機関が増えましたが、TKAでは3Dテンプレートに加えてフィルム上に骨切ラインや長管骨の軸をマーキングする方が望ましいです。


通常の鉛筆や色鉛筆を利用してフォルムにマーキングしても良いのですが、色が分かりにくいため術中の視認性が良くありません。そこでご紹介するのが下記の色鉛筆です。

トンボ鉛筆 マーキングホルダ- 白 H-DM01




この色鉛筆は、上司の先輩医師に教えてもらいました。医療用フィルムに特化しているわけではなく、一般のデザイナーさんも使用しているため安価に手に入るようです。


フィルムの上にでもしっかりマーキングすることが可能です。また、4種類の色のうち白色は視認性も良好なため、術中もばっちりマーキングの位置を確認することができます。


基本的には消耗品なので、10本ほどまとめて購入して使用するのが妥当だと思います。特に人工関節を頻繁に行う方にお勧めの一品です。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                  

    
      人工膝関節置換術[TKA]のすべて-安全・確実な手術のために


TKA: 下腿軸のマーキングは有用


最近、何故か人工膝関節全置換術(TKA)が多いです。
THAでは術前の体位設定の際にイメージで股関節が正確な正面になるように調整しています。


この方法は高価なナビゲーションを利用しなくてもイメージさえあれば施行できるので、カップを正確な角度で設置するのに安価で非常に有用な方法です。


一方、TKAの骨切りでは大腿骨よりも脛骨の骨切りの方が難しいと思います。ナビゲーションを導入せずとも安価に正確な骨切りする工夫はいくつかあります。


そのうちのひとつが下図のように術前に透視下に下腿軸をマーキングする方法だと思います。この方法もイメージさえあれば施行できるので、安価で有用な方法だと思います。



P1080087 - コピー




単に透視下に下腿軸をマーキングするだけなので、準備も非常に簡便です。術中はこの部分の皮膚をドレーピングして見えるようにしておきます。


脛骨骨切りの際には髄外ロッドがラインに平行になるように骨切りガイドを調整します。もちろん、ラインを100%信じているわけではなく、他の指標との総合評価で骨切りガイドを設置します。


しかし、腓骨の骨軸や脛骨稜などの指標よりも、皮膚の上に下腿軸をマーキングする方が分かりやすくて信頼できる(信頼できそうな)気がします。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                  

    
      人工膝関節置換術[TKA]のすべて-安全・確実な手術のために


抜釘時の小さな工夫


昨日は、抜釘術を施行しました。
半年前に施行した手術なのですが、手術創が既に分かりにくくなっています。


このような方にイソジンドレープを貼付すると、手術創が全く分からなくなってしまいます。手術創と平行に新しく切開を加えることは皮膚の血流から考えても避けたいところです。


今まではイソジンドレープを貼付してからこのことに気付き、執刀開始時に再度イソジンドレープを創周囲のみ剥がして手術を行っていました。


しかし、何度も同じ過ちを繰り返していると、さすがの私も少しは学習するらしく、最近ではイソジンドレープを貼付する前に皮膚ペンで前回皮切にマーキングするようになりました。


もちろん、イソジンドレープではない透明なドレープを貼付することも可能ですが、皮切が分かりにくくなっている方は透明ドレープでさえも前回皮切を判断できないことがあります。


皮膚ペンでマーキングすることでイソジンドレープの清潔な術野で手術を行うことが可能となりました。非常につまらないことですが、医療はこのような小さな工夫の積み重ねだと思います。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。



                                             

                                  
AO法骨折治療




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

           管理人の著書
   勤務医のための資産形成マニュアル
      医師のための 資産形成講義
2015神戸セミナー

      築古木造戸建投資マニュアル
      医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

        タダで自宅を手に入よう!
   資産形成のコンサルテーション・サービス


SRI一橋大学消費者購買価格指数
.
配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール
QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。
  • ライブドアブログ