昨日の午前は手根管症候群に対して手根管開放術を行いました。以前いた病院では内視鏡(Smith&NephewのECTRAⅡ)があったので、2ポータルの鏡視下手根管開放術を施行していました。


現在の病院に移ってからは、正中神経運動枝損傷が嫌なので手掌のみのミニオープンで手術しています。しかし昨年4月の診療報酬改定で内視鏡下手術の点数が軒並み大幅アップになりました。手根菅開放術も例に漏れずに大幅な点数アップになっています。


手根管開放術        K093    4110点 ⇒ 4110点
関節鏡下手根管開放術  K093-2    9230点 ⇒ 12000点


従来法に比べて3倍近い大盤振る舞いです。さすがにこの点数差を知ってしまうと鏡視下手術を復活させようかと思ってしまいました。鏡視下手根管開放術は、鏡視下ACL再建術などとは違い、技術的な難易度はさほど高くありません。


鏡視下手根管開放術のピットホールは正中神経の運動枝が尺側に分岐する場合に損傷する危険性があることです。この合併症を完全に回避することは不可能なので鏡視下手術を避けていましたが、今後は検討してみたいと思います。