先日、アルバイト先で診察していると中学生が突き指したとのことで初診されました。
環指のPIP関節が腫脹しているため、両環指2方向の単純X線像を撮影依頼しました。
撮影された画像をモニターで見て目が点になりました。何と正面像が両手正面で撮影されているのです。しかも、小指は画像に写っておらず、環指も基部が欠けているではないですか!
もしかして両手2方向で撮影依頼してしまったのか? と思ってオーダーを確認しましたが、 しっかり両環指2方向でオーダーが通っています。
仮に両手正面像であったとしても、小指が完全に写っていない画像はありえないと思います。 そこで放射線技師さんに内線で直接確認したところ、「当院の撮影法はコレです」と言われました。
プアーな医療機関だと思いながら、 なぜ環指を中央にして撮影しなければならないかを説明したところ、放射線が垂直に入らないと正確な診断ができないことは理解していると言います。
では、なぜこんな撮影をするのかと問いかけたところ、「それが当院のルールだからです」とおっしゃられました・・・。悪びれずに堂々と言うところが、どうにも救いようが無いです。
医療機関の収益にも患者さんの利益にもならない撮影法を、この放射線技師さんは理屈を理解している(?)にも関わらず日々繰り返しているようです。これは職業倫理の問題です。
今回はちょっと極端な例かもしれませんが、医療機関のルーチンワークの中には時代に合わなくなったモノや、前提条件が間違っているモノがあるかもしれません。
今回の技師歴ウン十年の放射線技師さんを反面教師にして、もういちど自分の中でのルーチンワークを検証してみようと思いました。
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