先日、大学で手の外科を主催している同門の先生から興味深いお話をお伺いしました。その日は手の外科領域で困っている症例の手術があったので、監督してもらっていました。


手術後の雑談で、手というのは体の中でもかなり血流の多い部位のひとつであるとおっしゃられたのです。単位面積当たりの毛細血管の量が他の部位と比べて多いです。


このため、手の創傷治癒過程は、他の部位と比べて明らかに異なるそうです。手の外傷に関しては、多少外傷の程度が厳しくても、すごい勢いで治癒することが多いとのことでした。


これも単位面積当たりの血流の豊富さのなせる業です。単位積当たりの血流量が多いので、熱中症の際には両手を15分ほど、冷水で冷却するだけでも相当解熱します。



55 - コピー

ラジエーターの構造 ©青木 隆



このようなことから、手の外科の先生は「手は人間のラジエーターのようなものだ」とおっしゃられていました。人間の手はラジエーター。。。なるほど、的を得た表現ですね!







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