整形外科医のブログ

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リハビリテーション難民

マッサージで機能維持の闇

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先日、訪問医療マッサージを展開している方と飲む機会がありました。このビジネスのボトルネックは集患と医師の同意書だそうです。


集患に関しては施設やケアマネジャーとの連携を進めてクリアしているそうですが、医師の同意書はなかなかうまくいかないとのことでした。


ふ~ん、それなら何らかの協力ができるかもしれないなと思って事業の詳細をお伺いしましたが、施行している内容はマッサージではなく機能維持がメインのようです。


現在、リハビリテーション難民が問題化しています。脳血管で180日、運動器は150日が医療保険でのリハビリテーションの期限です。これを越えると介護保険利用になります。


しかし、介護保険を限度額まで使用しているケースが多いため、特に脳血管疾患の機能維持のためには自費リハを選択せざるを得ません。


資力のある人なら問題ないですが、そうでない人は高額な自費リハ継続が難しいです。訪問医療マッサージは、本来自費となる機能維持を医療保険で賄うビジネスモデルなのです。


賢明な方はピンとくると思いますが、機能維持メインの訪問医療マッサージはブラックに近いビジネスモデルです。国家資格と医療保険の適応を逸脱していることが明白だからです。


下手にマッサージに対して同意書を書いてしまうと、マッサージで機能維持リハを行うという違法行為に手を貸すことになります。これはアブナイ...。


先週の週刊ダイヤモンドの特集で、あはき師はクリーンと書きましたがそうとも言い切れないことが分かりました。機能維持をウリにしている訪問医療マッサージは危険です。


もちろん、リハビリテーション難民問題は深刻ですが、限られた医療資源・財源の適正配分の観点からは仕方ないと思います。裏をかく行為は是認できません。


医師サイドでは訪問医療マッサージの実態確認が不可能なので、マッサージ同意書にサインすることがいかに危険な行為であるかに気付かされました。


機能維持メインの訪問医療マッサージが周知されてくると、違法性を問われることは必至でしょう。加担することになるので、迂闊にマッサージ同意書にサインできないな...。






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通院リハビリテーションの問題点

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私の勤めている病院では回復期リハビリテーションがあるので、近隣の医療機関からリハビリテーションが必要な患者さんの紹介が多いです。


このこと自体は結構なことなのですが、病院の収益性を考えるとあくまで入院患者さんの紹介に限ります。入院と外来では同じリハビリテーションを行ってもずいぶん点数が異なるからです。


しかし、整形外科医にとってリハビリテーションの点数の違いにはあまり注意が向かいません。私達にとっては患者さんが良くなればOKであり、病院の収益性は二の次だからです。


しかし、この御時勢ではそうばかりも言っていられません。理学療法士(PT)の数には限りがあるので、収益性を考えると可能なかぎり単価の高い入院患者さんに注力する必要があります。


そして、通院リハビリテーションの問題点は点数の単価の低さだけではありません。結構な頻度で通院リハビリテーション予約のドタキャンがあるのです。


当然、PTは予約時間に体を空けているので、一度でもドタキャンされると病院は丸損になってしまいます。これは大きな機会損失になるため、収益的にはいかにも痛い話です。



このような理由から、病院では通院リハビリテーションを敬遠する傾向にあります。医療経済的に考えると、通院リハビリテーションの点数をもっと上げるべきかもしれません。


そうは言っても国が定めるリハビリテーションの点数は合理的でもあります。運動器では150日の制限がありますが、確かに150日以上経過していると治療効果を得ることが難しくなります。


リハビリテーション難民の方からすれば何ともやるせない制度ですが、限りある医療資源を有効に使うためには非情ですが線引きは必要です。


いずれにせよ、私達は決められたルールに従って粛々と治療をすすめるしかありません。先が見えないことが多い患者さんが多いリハビリテーション医療は、なかなか難しい分野ですね。


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