先週末に上肢の蜂窩織炎の患者さんが入院していました。
血液生化学データがかなり悪かったのですが、当直医が適切な治療を開始してくれていました。


慣習的に、蜂窩織炎の治療の一環としてアクリノール(商品名: リバノール)湿布を施行されることがありますが、この処置は本当に有効なのでしょうか?


昔、日赤で勤務していた際に、皮膚科の部長から”キミは未だに蜂窩織炎にリバ湿布をしているのかね?全く意味の無いことだよ!”と言われたことがあります。


その場は、はあ~っと生返事しましたが、気になったのてPubMed等で検索してみました。すると、リバ湿布での治療成績の論文が一つもヒットしなかったのです・・・。蜂窩織炎にリバ湿布という治療は、もしや日本だけの習慣なのか???


それ以来、蜂窩織炎に対してリバ湿布はしなくなりました。確かに常識的に考えて、皮下組織に広範に波及した感染に対して、経皮的な治療が奏功するとは思えません。


やはり、蜂窩織炎の治療には、抗生剤投与が最も重要なのだと思います。