整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

上前腸骨棘裂離骨折

坐骨結節裂離骨折

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先日、中学生が右股関節部痛を主訴に初診しました。ダッシュをした瞬間に右股関節の激痛が出現して歩けなくなったとのことです。


このような症例では、骨盤裂離骨折を第一に疑います。ただし、骨盤裂離骨折は主に3カ所あるので、全て網羅するためには単純X線像正面像に加えて両斜位も必要となります。





AP - コピー



今回は少し分かりにくいですが、右坐骨結節裂離骨折です。一見すると坐骨部の骨端に見えますが、左側と比べて坐骨結節部がえぐれていることから骨折だと判断できます。


坐骨結節裂離骨折は、全力疾走や跳躍の際にハムストリングの急激な収縮による力が加わって発生します。実は、私は坐骨結節裂離骨折を初めて診ました。


上前腸骨棘(縫工筋の裂離骨折)や下前腸骨棘(大腿直筋の裂離骨折)は比較的よく見かけますが、何故か坐骨結節は治療したことがありませんでした。



上前腸骨棘や下前腸骨棘裂離骨折では、約4~6週間でジョギング開始、8~12週でスポーツ復帰となりますが、坐骨結節は骨癒合が遅れやすいため、もう少しゆっくりしたペースとなります。




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シュートの際に発症した下前腸骨棘裂離骨折

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今日の午前は外来でした。年末年始明け最初のメインの外来だったので結構大変でした。
14歳中学生の男子が、サッカーでボールを蹴った瞬間から左股関節の痛みが続いているとのことで初診されました。


単純X線像では、
下前腸骨棘裂離骨折を認めました。大腿直筋の起始部が下前腸骨棘なので、ボールを蹴る際に大腿直筋の力に負けて起始部から裂離してしまったようです。似たような外傷に、縫工筋による上前腸骨棘裂離骨折があります。


診断は股関節正面像(もしくは骨盤正面像)で判断できますが、転位が少ない場合には骨盤斜位像が必要となります。ちなみに骨盤第一斜位は右側が上(管球側)で左側が下(カセッテ側)、骨盤第二斜位はそれぞれが反対になります。


治療は、骨癒合するまでの6週間程度はサッカーを休んで安静にしてもらうだけで問題なしです。決して珍しい外傷ではなく、私の場合では年に数名程度は外来で診る機会があります。


全く患者層が違いますが、高齢の関節リウマチ患者さんで骨脆弱性に起因した上前腸骨棘裂離骨折
(腸骨翼骨折)もたまに診る機会があります。受傷機転は転倒しそうになって踏ん張った際に、縫工筋に引っ張られて骨折を併発する方が多いように感じます。

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