昨年末に知り合いの元ファンドマネージャーが運営する任意組合に加入させてもらいました。
基本的な戦略は 「長期トレンドに逆らわず好業績で株価が堅調な銘柄 を買い上がる」 です。


私の超長期逆張り戦略とは真逆の順張り投資戦略なので、①順張り戦略の勉強 ②逆張り戦略で結果を出すことが難しい時期を補完 する目的で加入させていただきました。


4月に組合員総会がありました。私はハワイ出張のため欠席だったので個別面談で説明を受けました。時期的な問題でパフォーマンスは冴えなかったですがTOPIXは上回っています。


その中で、長期サイクルで下落トレンドに転換した可能性を示唆されました。2012年11月の衆議院解散宣言をきっかけに、2015年8月まで長期的な上昇トレンドだったことがわかります。



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日本の株式市場が長期的な下落トレンドに転換した最大の要因は、企業業績の悪化が挙げられます。企業業績が悪化したのは、為替が円高に進んだことが大きな理由です。


ドル円相場の年間平均は、アベノミクスが始まった2012年は79.8円だったのが2015 年には121円と大幅な円安となり、円安メリット企業を中心に企業業績を押し上げました。

 
この上昇トレンドは2015年8月まで2年9カ月続きました。そして現在は長期的な下落トレンド入りしている可能性が高いですが、このトレンドはいつまで続くのでしょうか?


いろいろなケースが考えられますが、楽観シナリオは直ぐにリバウンドして直近高値を更新して上昇トレンドに戻るものです。しかし、その可能性は低いと思います。


一度下落トレンドになると1.5~3年間は続く傾向があります。前回の下落トレ ンドは2007年6月から2009年3月でした。今回に重ね合わせると2017年3月ごろまで続くことが予想されます。


実戦の判断は、実際の下落トレンド終了を確認する必要があります。下落トレンドは高値と安値を切り下げることなので、これが途切れた時に下落トレンド終了の可能性が高まります。


前回の例では、2009年5月に直近高値である2009年1月を上回ったことで、下落トレンド終了が確認できました。今後どのように長期トレンドが推移するかのひとつの参考となります。


下落トレンドが続けば2017年後半には横這い期間に入っている可能性があり、当面はパフォーマンスの向上に努めつつも資金の確保を優先して来るべき時期に備えたいとのことでした。


私は長期トレンドの予想をしない方針なので、世の中の「雰囲気」が最高に悪くなったときに本格投資を開始します。つまり下落トレンドの最終局面が私のエントリーポイントです。


一方、任意組合のエントリーポイントは横這い期間の確認ができてからなので、私よりも半年~1年遅れぐらいの感覚のようです。客観的に考えるとこちらの方が確実性があります。


しかし、買い下がっていくよりも買い上がっていく方が、私にとっては「恐怖」を感じます。このため、やはり任意組合の投資方針を踏襲するのは難しいと感じました。


個人レベルの金融資産投資において最も重要なことは、自分の投資方針を堅持することです。「状況に応じて柔軟に対応する=一貫性の無いことへの単なる言い訳」 だと思うからです。




★★  医師のための金融資産形成術  ★★


資産家および医師を対象として、2015年10月に開催した本ブログ管理人による 「金融資産形成術セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。



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勤務医・開業医の種類に関わらず、医師が資産形成する際には下記の3つを組み合わせることで効率良く資産形成することができます。


1. 医師免許をベースにした人的資産からのキャッシュフロー
2. 不動産からのキャッシュフロー
3. 金融資産投資の技術


①②で得られる安定したキャッシュフローを元手にして、③の金融資産投資技術を用いて資産形成するのです。しかし、多忙な医師が金融資産投資で結果を出すのは難しいのが現実です。


一方、金融資産投資は買値で投資収益性が決まります。 ”多忙な医師がいかにして金融資産を安く買うか?” という命題を解決するため、私は超長期逆張り投資戦略を選択しています。 


今回の「金融資産投資術セミナー」は、資産形成マニュアルで提示した資産形成手法における金融資産投資の各論です。築古木造戸建投資は「守」、金融資産投資は「攻」という位置づけです。


築古木造戸建投資の「守」 と 金融資産投資の「攻」の組み合わせが、安定的な所得のある医師の資産形成における有力な選択肢のひとつと考えています。