整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

不顕性骨折

不顕性大腿骨頚部骨折では CTを!

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先日、ブログで不顕性の大腿骨頚部骨折のお話をしました。
この話題について、トチオ先生から下記のようなコメントをいただきました。



CTのaxial像で見て関節包内血腫があれば判断できますが、なかなか難しいですね。



むむっ、CTは coronal image しか見ていなかった・・・。 あらためて axial image を確認すると、たしかに関節内血種をうかがわせる所見がありました!



キャプチャ - コピー



今回は患側しか撮像していませんが、両側を撮像した方が比較できて更に良いかもしれません。MRI を撮像すると一発ですが、枠の問題で早期に撮像するのは難しいことが多いです。


この問題を解決する方法として、両側のCTを検討しても良いのかもしれませんね。トチオ先生、ありがとうございました!






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脛骨の不顕性骨折

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先日、80歳台女性が左膝関節部痛で初診されました。
5日前から突然痛くなってきたようですが、特に外傷の既往はありません。


いつも通りに膝関節のOAだろうなと思って診察すると、意外にも関節水腫はみとめませんでした。そして、脛骨近位内側部を中心に軽度の腫脹・熱感を認めます。



AP - コピー



単純X線像では明らかな異常はなさそうですが、脛骨近位内側部にかなりの圧痛があります。何度も触診しましたが、膝関節内側関節裂隙の圧痛はさほど無さそうです。



かなり痛がっているので、疼痛の原因をはっきりさせておきたいと思いました。無理を言ってMRIを施行してもらったところ、やはり有りました!



T1WI - コピー

FS - コピー



脛骨近位内顆骨折です。非外傷性のいわゆる不顕性骨折ですね。関節リウマチの患者さんで何名か診たことはあるのですが、普通に歩いている方では初めて診ました。


YAMを計測したところ50%でした。典型的な不顕性骨折です。さしあたって免荷指示して外固定は無しで経過観察することにしました。







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股関節の不顕性骨折

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不顕性骨折(Occult fracture)の治療で、少し迷うことがありました。80歳台の高齢者が転倒後に左股関節を痛がるとのことで初診されました。


単純X線像では大転子部に骨折を疑いました。念のためMRIを施行すると、大転子骨片だけではなく、転子部にも骨折を認めました。



MRI - コピー




身体所見としては左股関節の自動運動可能であり、大腿骨の軸圧痛もありません。そこそこの認知症なので、入院治療自体を家族が渋っていました。


う~ん、治療をどうするか。。。 患者さん本人は認知症もあるためか車椅子移乗も介助下に可能な状態です。ひとまず、保存時に経過観察することにしました。




1回目転倒後 - コピー



上記は受傷から1週間後の単純X線像です。認知症があるので勝手に全荷重しているのですが、特に転子部の転位増大を認めませんでした。


これはイケるかも、、、と期待していると、次の週に再転倒したとのことで救急搬送されました。今度はしっかり転位してしまっていました。。。




2回目転倒後 - コピー




結局今回は2度目の転倒というアクシデント(?)があっため、occult fractureが全荷重歩行下で骨癒合するのか? という命題はよく分かりませんでした。


文献的には保存治療で問題なく骨癒合するという報告が多いようですが、実際に私自身の経験はありません。次があれば、おそらく保存治療を選択すると思います。






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不顕性骨折と骨挫傷の違いは?

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臨床では、骨挫傷を比較的よくみかけます。通常、あまり大きな問題になることはないですが、画像所見が比較的派手なので、不顕性骨折との関連性について調べてみました。


単純X線像で所見の無い症例であっても、疼痛が続く場合にMRIを施行すると、骨髄内に浮腫ないし出血の信号(T1WI像・低信号+T2WI像・高信号)を呈していることがあります。
 
 

この信号変化は、不顕性骨折(occult fracture)や骨挫傷(bone contusion またはbone bruise)と呼ばれる病態で、MRIによる画像診断から生まれた概念です。



骨挫傷は、病理学的には微小な骨梁骨折と、それに伴う骨髄内の出血や浮腫を反映しているとされています。その自然経過はさまざまで、多くの帰結をとることが明らかになっています。


そのなかで、骨髄の浮腫のみでやがて消退する単純な「骨挫傷」は、文献的にはMRIでの異常信号像は約6週間~12週間で消退するとされています。


骨挫傷は、地図状のT1 強調画像・低信号領域、T2強調画像・高信号領域として描出されます。一方、不顕性骨折と骨挫傷との間に、明瞭な区別はできていません。


一般的には、T1 強調画像において、線上あるいは帯状の低信号領域を示すものを不顕性骨折、地図状の低信号領域を示すものを骨挫傷と称しています。

 

この画像所見は、骨同志が直接ぶつかり合うことによる圧迫力が加わった場合に著明であり、靱帯や腱の剥離のような伸延力による傷害では軽度であることが知られています。


 

つまり、骨挫傷は膝関節で大腿骨と脛骨が衝突する場合など、関節において骨が互いに衝突する場合や、骨に直接外力が加わったときに生じます。


 

骨挫傷の臨床的な意味合いは、疼痛の原因となりうることです。単純X線像では異常がみとめないが、疼痛が持続する場合には、骨挫傷が原因である可能性も考えるべきでしょう。


 

ただ、一般的には受傷後1 ヵ月以降で骨挫傷は消退する傾向が明らかになり、2~3 ヵ月後にはほとんど検出されなくなります。これに伴い、臨床症状も消失することが多いです。






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