整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

乱刺法

肩の乱刺法(もどき)の実際

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先日、肩関節の石灰沈着性腱板炎に対する乱刺法の記事を書きました。
実際に外来で乱刺法(もどき)を施行するためのポイントを記載します。


まず本来の乱刺法は、エコーもしくは透視下に施行します。確実に沈着している石灰を捕らえる必要があるからです。しかし、実臨床では時間が無いので、そこまでできないことが多いです。


このため、前回もお話したように肩峰下滑液包注射の際についでに乱刺法を施行することになります。この際には石灰が腱板のどの部位に沈着しているのかを判断する必要があります。


この際に有用なのが、単純X線像の Scapular Y view です。Scapular Y view を確認することで石灰が沈着している部位を、ある程度判断することが可能となります。


これに加えて、注射のエントリーポイントを前外側にします。通常の肩峰下滑液包注射は後外側から刺入することが多いと思います。


しかし、後外側からでは石灰沈着部に到達することが難しい場合があるので、肩関節鏡のように前外側から針を刺入することで石灰沈着部位への到達を容易にします。


単純X線像の Scapular Y view を依頼するときの注意点ですが、都道府県によっては肩甲骨の病名を要求される場合があります。


不幸にして単純X線像の Scapular Y view に肩甲骨のレセプト病名が必要な都道府県で働いている場合には、「肩甲部痛」などという訳の分からない病名をつける必要があります。


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石灰沈着性腱板炎に対する乱刺法

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先日、アルバイト先に新しく赴任してきた、専門が肩関節の医師と話しをしました。
肩関節は整形外科の中では比較的マイナーな分野なので、専門医師の数が少ないです。


このため、日常診療で肩関節に関して疑問点が出てきたときにも、気軽に質問することができる医師が居なかったので、私としては非常に助かります。


早速、何点か温めていた(?)疑問点を御伺いしました。その中のひとつが石灰沈着性腱板炎に対する「乱刺法」についてでした。


肩関節の解剖は、表層から ① 肩峰下滑液包 ② 腱板 ③ 肩関節 の順になります。このうち、石灰が沈着するのは①と②の間、もしくは②の中になります。


乱刺法の目的は、①の肩峰下滑液包と石灰の間を交通させて吸収を促進することです。分かりやすく言うとブスブスと針先で肩峰下滑液包の腱板側を刺すことで滑液包に穴を開けるのです。


針先で開けた滑液包の穴を通じて、腱板上もしくは腱板内に沈着した石灰が滑液包内と交通することで、石灰の吸収が促進されます。


本格的に施行するにはエコーもしくは透視下に針を刺しますが、多忙な外来中に施行することは現実的ではありません。このため肩峰下滑液包への注射の際、ついでに行うことが多いです。


この場合、針が細いのでどうしても効果が限定的です。針が細い分を回数でカバーしようと欲を出すと腱板を傷つけて痛みを増強させる原因となります。この点には注意が必要でしょう。



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