整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

人工股関節全置換術

THA: 設置角度>>アプローチ

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12月は年の瀬にも関わらず、人工関節手術が多かったです。
同じような手術なのでマンネリ化しがちですが、気を引き締めて頑張りたいと思います。


さて、先日同門の医師とTHAの話をしていた際に、その先生はALSA(AL Supine Approach: 仰臥位前側方アプローチ)を採用しているとおっしゃられていました。


個人的には、ALSAはDAAよりも優れた前方アプローチだと感じています。脊椎外科ほどではないものの、股関節の世界でもそれなりに術式の進歩しています。


しかし、長年この手の手術ばかりしていると、アプローチの違いは些細なことであると感じるようになってきました。確かに各アプローチ間で、僅かですが優劣が実証されています。


そうは言っても本当に僅かな差にしかすぎないため、執刀医の技量の差やインプラントの選択の方が、圧倒的に長期成績に大きな影響を及ぼします。


そして、執刀医の技量の差とは、いかに至適な位置に至適な角度でインプラントを設置するかに尽きます。


この前提条件をないがしろにして、各アプローチ間の優劣を比較するのはナンセンスではないのか? と感じています。


この手のことをあまり大きな声でいうと、大御所の先生方からバッシングを受けるので、普段はあまり主張することはありませんが(笑)。




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感染THAに関するJBJS Amの論文

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相互リンクいただいている整形外科 論文ナナメ読みで興味深い記事がありました。JBJS Amの感染性人工関節に関する論文の解説です。


この論文は「感染性人工関節に対して、いきなり抜去しなくても洗浄とデブリでも結構いいのかもしれない」という趣旨です。


本当かな~?と思って読み進めると、がみたけ先生が上手に意訳してくれています。

  • 感染人工股関節90例中65例(83%)で、掻破洗浄術のみで鎮静化した
  • 70%の症例でヘッドとライナーを交換したが、30%の症例で交換しなかった。
  • 84%の症例で抗生剤を長期投与した(経静脈的投与5.5週間、その後経口抗生剤処方)
  • 77%の患者で慢性感染の状態で推移した
  • 歴史的に、掻破洗浄術のみで鎮静化する確率は60%未満
  • 全身状態の良い症例の方が予後良好



う~ん、とりあえず再置換術を回避することにフォーカスした治療方針のようです。感染が持続している症例が多く、良いのか悪いのかよく分からない結果です。


更に、がみたけ先生が大腿骨頚部骨折の患者と待機的にTHAを受ける患者を同じように取り扱っていることに対して問題提起しています。たしかに患者層が全く別物ですね。。。


THAの感染に興味のある方は、がみたけ先生のブログを訪問して、詳細を確認することをお勧めします。もちろん、原著にあたることがベストですが(笑)。





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大腿骨頚部骨折後偽関節のTHA

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先日、大腿骨頚部骨折後偽関節に対する人工股関節全置換術(THA)がありました。まだ60歳台ですが、既に寛骨臼側にOAも認められたため他院から紹介されました。



術前 - コピー




何故こうなってしまったのか疑問でしたが、半年ほど痛みに堪えて歩行していたとのことです。紹介時には、歩行不能となって1ヵ月が経過していました。悩ましい。。。


人工骨頭置換術でお茶を濁す手も無きにしも非ずですが、年齢が若いことと今後の活動性を考えて、セオリー通りにTHAを施行することにしました。


しかし、この手の症例は、骨質が極端に悪いことが多いので要注意です。私は基本的にセメントレス派ですが、念のためセメントTHAもバックアップして手術に臨みました。


案の定、骨質が非常に不良で、寛骨臼のリーミングもほんの数秒で内板まで到達してしまいました。軟骨下骨をある程度温存するつもりでしたが、感覚が分かりませんでした。


大腿骨も骨質不良でしたが、一応セメントレスステムでラスピングしてみました。意外とプレスフィットしたので、そのままセメントレスステムで終了しました。



術後 - コピー




終わってみると、意外にも寛骨臼・大腿骨側ともセメントレスでしのぐことができました。あ~、よかった。カチカチのOAと比べると、このような症例は非常に緊張します。


いつも思うのですが、このような症例はできるだけ避けたいところです。まぁ、誰かがしなければいけないわけですが。。。







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初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




内固定材料別のTHA難易度

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タイトル違いで失礼します。昨日ブログ内で告知したオンラインサロンですが、いきなり13名の先生方から入会申し込みがあり、総勢40名を超える大所帯になりました。


もともとすごい先生方がたくさん居ましたが、すごい能力や経歴を持った先生方が加入されて「ごった煮感」が更にパワーアップされました。



この方は私よりも結果を出しているのでは??? と感じる先生も散見されるので、私もやる気スイッチを入れて再始動しようと思います。


それにしても、世の中広いモノですね。少なくとも自分の周囲ではお目にかかったことのないような先生方が、全国に散らばっていることは大きな発見でした。


もちろん、今から自分のキャリアを考えたり資産形成を始めようという先生も多数居られます。ご興味のある方は、是非 こちら をのぞいてみてくださいね!



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最近、大腿骨近位部骨折後のTHAがいくつか続きました。
再置換術が難しいのは当然ですが、外傷後のTHAもなかなかクセモノのことが多いです。


私の独断と偏見で、術前に使用されている内固定材料の種類別のTHAや人工骨頭置換術の難易度を考察してみました。結論から言うと下記のごとくです。




髄内釘(short nail) > CHS > CCS / ハンソンピン 



手術の難易度としては、概ね上記だと感じています。髄内釘が最も難しい一方で、CCSでは通常に近いTHAや人工骨頭置換術であることが多いです。


髄内釘が難しい理由は、ネイル周囲に形成されたpedestalが邪魔をして、大腿骨髄内の至適位置にリーミングやラスピングすることが難しいからです。


CHSではラグスクリュー部にpedestalを形成しますが、大きな問題になることはありません。CCSやハンソンピンではCHS以上にpedestalによる問題が発生する確率は小さいです。


もちろん、頚部骨折といえども大腿骨近位の軟部組織は瘢痕化しているため、手術操作には慎重さが求められることは言うまでもありません。






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THAと人工骨頭はどちらが難しい?

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先日、人工股関節全置換術(THA)を施行しました。その後、出張できている医師と雑談していた際に、THAと人工骨頭置換術はどちらが難しいか? という話題になりました。


普通に考えればTHAの方が難しいのですが、私は人工骨頭置換術の方が難しい症例が多いと感じています。いわゆる「苦手意識」です。その理由は下記のごとくです。

  1.  骨脆弱性が強い
  2.  高度の認知症合併例が多い
  3.  全身状態の悪い症例が多い


場末病院ということもありますが、とにかく条件の悪い患者さんが多いです。術中もラスピングや整復操作時に医原性骨折を併発しないかいつも冷や冷やしています。


このため、心筋梗塞や狭心症の既往歴のある症例を除いて、少しでも骨質に疑問を抱けば、すぐにセメントステムを選択します。


また、肺炎を併発していない症例の方が少ないぐらいので、いつも手術タイミングを必死で考えています。


更に、高度な認知症の患者さんが多いため、術後は不良肢位をとる・転倒することを前提に手術を施行しています。あ~、それに比べるとTHAのナント楽なことか!


THAでは骨質の心配をすることはさほどないため、脱臼・ラスピング・整復操作で冷や汗をかくことはありません。基本的に元気な方なので、全身状態を気にすることもありません。


私があまりに心配性なのかもしれませんが、とにかく人工骨頭置換術はストレスが多くて未だに好きになれない手術です。


むしろ、経験を重ねるごとに苦手意識が増幅されているような・・・。う~ん、我ながら少し病的なのかもしれません。







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