肘関節後方脱臼後の高校生を外来で治療しています。
まず上肢のギプスシーネ固定を2週間施行した後に、自動運動での肘関節可動域訓練を開始しました。


しかし受傷後4週の時点で、90-50-0とかなりの肘関節可動域制限を残しています。幸い、単純X線像上では仮骨性筋炎を併発していないため、OTに他動での肘関節可動域訓練を依頼することを検討しています。


仮骨性筋炎は、骨折や脱臼に際して関節包や骨膜が骨から剥離して、そこに生じた血腫が骨化することで発生します。研修医の頃から肘関節の仮骨性筋炎には気を付けるように散々言われているので、なかなか他動での可動域訓練を依頼する勇気がありません・・・。


ちなみに自動での肘関節可動域訓練は前腕を回内しながら肘関節を伸展・前腕を回外しながら肘関節を屈曲するように指導します。前腕を回内することで上腕二頭筋や回外筋の緊張が緩むので伸展しやすくなるからです。




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