ご存知の方も多いと思いますが、第一世代セフェム系抗生物質のセファゾリンが供給停止に陥っています。セファゾリンは、MSSA の第一選択なので厳しい状況です。


製造元の日医工の発表によると、2018年の年末からセファゾリンの原薬がスムーズに納品されなくなり始め、2019年 1月には 3/4に異物が混入する事態に陥りました。


2019年 2月には製造した全てのセファゾリンに異物が混入するという異常事態になったため、供給停止を決めたようです。日医工は全国シェアの 6割だったので大変な状況です。


医療の現場からセファゾリンが消えるとなると、その影響は甚大です。特に外科系の科は大打撃を受けます。セファゾリン無しではまともに手術ができません...。


厚労省も事の重大さを認識しているようで、2019年 3月 29日付けで下記の「事務連絡」をホームページで公表しました。




厚労省の迅速な対応は、現場にとって非常に助かります。これをみると、整形外科領域のセファゾリンの代替薬としては下記が挙げられています。


  1.  セフォチアム(パンスポリン:第 2世代セフェム系)
  2.  セフメタゾール(セフメタゾン:第 2世代セフェム系)
  3.  フロモキセフ(フルマリン:第 2世代セフェム系)
  4.  クリンダマイシン(マクロライド系)
  5.  バンコマイシン


実際的には、①~③の選択となりそうです。個人的には術後の予防投与では、PIPCなどでしのぐことを検討しています。早く供給再開して欲しいところですね。






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