先日、人工膝関節全置換術(TKA)後の伏在神経膝蓋下肢損傷について勉強しました。せっかくなので、入院中の TKA患者さんの膝を伏在神経損傷の視点で再度診察してみました。


すると、何名かの患者さんの膝関節内側に神経痛を疑わせる所見がありました。外側にも軽度の知覚障害があるのですが、内側に tinel signのような疼痛があるのです。


むむっ、これはもしかして伏在神経損傷なのかも...と考えて、リリカを処方することにしました。夜間痛が強いようなので、さしあたって眠前に 75mg投与としました。


初日はリリカ 75mgでは全く効かないようでした。やはり伏在神経損傷というよりも膝関節内部の炎症が残存しているのかもしれないと思いました。


しかし、まだ1日だったこともあり、リリカ 150mg眠前処方を試してみることにしました。翌朝回診したところ「昨日は痛みなくぐっすり眠れました!」とおっしゃられます。


う~ん、TKA術後に残存する膝関節内側の痛みは、術後の炎症ではなく伏在神経損傷だったのか...と複雑な心境になりました。


今回はTKA術後疼痛の原因のひとつとして伏在神経損傷を鑑別診断に入れるべきことを学びました。リリカがTKA術後に効果的な症例があるとは思ってもみませんでした...。






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