鏡視下前十字靱帯再建術後の問題点として、膝関節の伸展制限が挙げられます。その要因のひとつとして、脛骨ACL停止部前方に形成された滑膜・瘢痕組織があります。
この部分に瘢痕組織が形成されると、膝関節伸展時に大腿骨顆部のグルーブに当たって伸展制限の原因となることがあります。
私が所属する施設では、鏡視下前十字靱帯再建術後1年で抜釘術(半腱様筋腱使用・エンドボタン)および鏡視をルーチンとしています。
先日、ACL再建術後の患者さんで、僅かに伸展制限が残っている方の鏡視を行いました。鏡視所見としては、脛骨ACL停止部の前方には特に瘢痕組織形成を認めませんでした。
同じ病院にACL再建術のスペシャリストが居るのですが、ACL再建術後に伸展制限が残存する症例では、この部分を重点的に確認して、必要に応じてシェービングするとのことです。
私はラーニングカーブの問題で、早々にACL再建術のスペシャリストへの道を諦めましたが、同じ病院で他の分野のスペシャリストが居ると本当に助かります。
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