先日、アメフト部の学生が、中指のボタンホール変形で初診しました。3ヵ月ほど前の練習中に中指を突き指したそうです。


そのまま放置していたところ、徐々にPIP関節が曲がってしまったので思い切って受診したとのことでした。診察すると、既にPIP関節に屈曲拘縮を併発しています。


開放性の伸筋腱中央索損傷が原因であるボタンホール変形では、手術治療が第一選択です。しかし、非開放性の伸筋腱中央索皮下断裂症例では、保存治療を選択することが多いです。


今回の症例の場合、既にPIP関節の屈曲拘縮を併発しているので、まずはPIP関節の拘縮を改善する必要があります。その後に、PIP関節を伸展位に固定するスプリントを常用します。


装着期間は4週程度でOKという文献が多いですが、その程度の期間では少し不安を感じます。腱性マレットに準じて8週間ほど固定した方が安心な印象です。


しかし、今回の症例は既に拘縮をきたしていることから考えても、保存治療ではなく手術治療も検討するべきかもしれません。ボタンホール変形に対する手術法はたくさんあります。


最も有名なのはMatev法です。Matev法では、両側の側索を段違いで切離して、短い一方を中央索に移行し,長い一方を交叉して他方の側索の末梢に縫合して終末腱を延長します。


このように、非開放性のボタンホール変形は伸筋腱中央索の皮下断裂であるため、開放性のボタンホール変形と少し治療方針が異なるので注意が必要だと思います。




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