整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

保存治療

10歳台の鎖骨遠位端骨折の治療


先日、下の画像のような 鎖骨遠位端骨折の10歳台の患者さん に保存治療を選択したことをお伝えしました。


受傷時 - コピー




受傷後5週の時点の単純X線像では、下の画像のように早くも鎖骨遠位端の骨折部に仮骨形成を認めました。この時点で軽度の圧痛のみ残存している状態でした。



受傷後5週 - コピー




その後、3週間だけ三角巾+バストバンド固定を継続しました(合計8週間)。可動域制限も無かったのでスポーツだけ制限して、受傷後12週の時点で最終確認を行いました。


単純X線像では完全に骨癒合しており、健側と比べても差異が分かりませんでした。全くリハビリテーションを行っていないにも関わらず、可動域制限もありません。


今回の経験から、10歳台であれば保存治療という選択肢も可能であることを強く確信しました。ただ、偽関節化したときの対応は、骨移植術が必要となるためやっかいです。


このあたりの匙加減が難しいと思うのですが、特に10歳台の女性においては可動域制限も併発しにくく美容面でのメリットも大きいので、まずは保存治療を選択するのも一法かなと思います。



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鎖骨遠位端骨折の保存治療成功!


1ヶ月前ほど前のことですが、下の画像のような 鎖骨遠位端骨折の10歳台の患者さん に、いろいろ検討した結果、保存治療を選択したことをお伝えしました。


受傷時 - コピー




鎖骨遠位端骨折では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても実際には前後に大きく転位しているケースが多く、また高齢者に好発するため偽関節化する症例が多いです。


先日、受傷後5週の時点で再診してもらいました。単純X線像では、下の画像のように早くも鎖骨遠位端の骨折部に仮骨形成を認めました!



受傷後5週 - コピー



叩打痛や圧痛もほとんどなく経過順調です。5週間の間、入浴時以外は三角巾+バストバンドで固定していましたが、さすがに10歳台だけあって肩関節可動域制限は認めませんでした。


念のためあと3週間は三角巾+バストバンド固定を継続するつもりですが、もう既に勝利を確信しています(笑)。今回の経験から10歳台であれば保存治療という選択肢もありそうです。


もちろん、30歳台以上の成人に同じような治療を行うと肩関節拘縮を併発するので、肩関節の機能保全の意味では、保存治療はあまり現実的ではありません。


しかし、肩関節拘縮をきたしにくい10歳台の患者さんであれば、手術治療ではなく保存治療を選択することも充分可能であることを学びました。



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保存のステム周囲骨折が治癒!


3月中旬頃に、人工股関節全置換術後ステム周囲骨折の方が入院されました。今回の方は、他院での再置換術後15年の方で、バンクーバー分類 type B1でした。


大転子が偽関節になっていることに加えて、大腿骨近位のbone stockが極端に少なく極めて骨質が不良でした。画像上はなかなか厳しい人工関節症例です。


側面像でようやく骨折を確認できる程度であったこと、骨質が極めて不良であったこと、および80歳台後半だったことから下記による保存治療を選択したことは前回にご報告しました。


  ①  股関節外転装具(30度に固定) 
  ②  PTH投与 
  ③  電気刺激 


祈るような気持ちで経過観察したことろ、受傷後3週で仮骨形成を認めました! そして、その後もどんどん骨癒合が進展して、受傷後2ヵ月で荷重を開始しました。


80歳台後半の高齢の方だったので、廃用が心配でしたが、立位訓練 → 平行棒内歩行 → 歩行器歩行と順調に進み、ポータブルトイレも見守りで可能となりました。


現在、受傷後3ヵ月ですが、受傷前に比べるとやや劣るものの、それなりに身の回りのことは自立できるレベルに到達することができました。


今回のケースは、手術治療ではなく保存治療を選択して良かったと思っています。もちろん、人工股関節全置換術後ステム周囲骨折はシビアなケースが多く、保存治療の適応は少ないです。


しかし、全例「 人工股関節全置換術後ステム周囲骨折 = 手術治療 」ではなく、患者背景や骨質などもトータルで勘案することfで、保存治療を選択できる可能性もあることを学びました。



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若年者の鎖骨遠位端骨折の治療


先日、鎖骨遠位端骨折の女子高生を診察する機会がありました。
骨端は完全に閉鎖しており、単純X線像上では成人です。


鎖骨遠位端骨折(鎖骨外側端骨折)は、なかなか厄介な骨折だと思います。保存治療では骨癒合を得にくく、比較的高頻度に偽関節や遷延治癒となってしまう印象です。


特に活動性の低い高齢者の鎖骨遠位端骨折の治療において、手術治療と保存治療を迷った挙句に保存治療を選択するケースでは、かなりの頻度で偽関節化した苦い経験があります。


手術中に骨折部の転位状況を多数目撃した経験上では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても、実際には前後に大きく転位しているケースが多いためだと考えています。


このため、単純X線正面像ではあまり転位が無いように見えても、骨癒合をなかなか得られないことが多いのです。しかし、今回のケースは女子高生です。


低侵襲手術を心掛けても露出部に手術創を残してしまいます。かなり悩みましたが、仮に偽関節化しても大きな機能障害は残らないであろうという説明を行い、保存治療を選択しました。


偽関節化して痛みが残った場合には偽関節手術となりますが、自分の子供なら悩みながらも保存治療を選択するだろうなと思うので、三角巾+バストバンドで患肢固定を行うつもりです。



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橈骨遠位端骨折の手術適応拡大?


外来で50歳台前半の方の橈骨遠位端骨折の治療をしています。初診時の単純X線像では、さほど橈骨背側皮質は粉砕しておらず、保存治療で充分と判断しました。


最初の2週間は上肢ギプスを施行して、受傷後2週の時点で特に問題が無かったため、受傷後3週目からは半肢ギプスに変更しました。


そして、先日受傷後4週で単純X線像を施行したのですが、側面像で橈骨遠位端のdorsal tiltが進行していました。どうも橈骨遠位端の背側皮質が圧潰したようです。


私の中では、受傷して2週間以上経過すると仮骨が形成され始めるので、比較的若年者であれば転位は増悪しないという印象がありますが、どうも全てに当てはまるわけでは無さそうです。


もう一度、受傷時の単純X線像を見直しましたが、やはりそれほど粗鬆骨ではなく橈骨遠位端の背側皮質も粉砕していませんでした。しかし、受傷機転は比較的軽微な外傷です。


このような症例を経験すると、比較的若年者であっても比較的軽微な受傷移転にも関わらず骨折している場合には、手術療法が望ましいのではないか? と思うようになりました。


整形外科の日常診療において、橈骨遠位端骨折はありふれた外傷ではありますが、上肢機能の可能な限りの温存という観点からは、まだまだ奥が深いなと改めて感じました。



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