整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

保存治療

若年者の鎖骨遠位端骨折の治療

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先日、鎖骨遠位端骨折の女子高生を診察する機会がありました。
骨端は完全に閉鎖しており、単純X線像上では成人です。


鎖骨遠位端骨折(鎖骨外側端骨折)は、なかなか厄介な骨折だと思います。保存治療では骨癒合を得にくく、比較的高頻度に偽関節や遷延治癒となってしまう印象です。


特に活動性の低い高齢者の鎖骨遠位端骨折の治療において、手術治療と保存治療を迷った挙句に保存治療を選択するケースでは、かなりの頻度で偽関節化した苦い経験があります。


手術中に骨折部の転位状況を多数目撃した経験上では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても、実際には前後に大きく転位しているケースが多いためだと考えています。


このため、単純X線正面像ではあまり転位が無いように見えても、骨癒合をなかなか得られないことが多いのです。しかし、今回のケースは女子高生です。


低侵襲手術を心掛けても露出部に手術創を残してしまいます。かなり悩みましたが、仮に偽関節化しても大きな機能障害は残らないであろうという説明を行い、保存治療を選択しました。


偽関節化して痛みが残った場合には偽関節手術となりますが、自分の子供なら悩みながらも保存治療を選択するだろうなと思うので、三角巾+バストバンドで患肢固定を行うつもりです。



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橈骨遠位端骨折の手術適応拡大?

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外来で50歳台前半の方の橈骨遠位端骨折の治療をしています。初診時の単純X線像では、さほど橈骨背側皮質は粉砕しておらず、保存治療で充分と判断しました。


最初の2週間は上肢ギプスを施行して、受傷後2週の時点で特に問題が無かったため、受傷後3週目からは半肢ギプスに変更しました。


そして、先日受傷後4週で単純X線像を施行したのですが、側面像で橈骨遠位端のdorsal tiltが進行していました。どうも橈骨遠位端の背側皮質が圧潰したようです。


私の中では、受傷して2週間以上経過すると仮骨が形成され始めるので、比較的若年者であれば転位は増悪しないという印象がありますが、どうも全てに当てはまるわけでは無さそうです。


もう一度、受傷時の単純X線像を見直しましたが、やはりそれほど粗鬆骨ではなく橈骨遠位端の背側皮質も粉砕していませんでした。しかし、受傷機転は比較的軽微な外傷です。


このような症例を経験すると、比較的若年者であっても比較的軽微な受傷移転にも関わらず骨折している場合には、手術療法が望ましいのではないか? と思うようになりました。


整形外科の日常診療において、橈骨遠位端骨折はありふれた外傷ではありますが、上肢機能の可能な限りの温存という観点からは、まだまだ奥が深いなと改めて感じました。



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腱性マレットの保存治療のコツ

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昨日のアルバイト夜診で、腱性マレットの方が受診されました。3週間前に他の医師にスプリントを処方されたのですが、予約日の都合が悪くなったため私の外来を受診したようです。


一応、スプリントは装着した状態で受診されましたが、よくよく御伺いすると一日のうち何回も着脱していました。そして、スプリントを外した時にDIP関節を動かしていたそうです・・・。


以前、腱性マレットの保存治療についてまとめましたが、これでは何のためにスプリントをしているのか分からないため、もう一度スプリントを装着する期間・目的・注意点を説明しました。


そして注意点に関しては、最初の8週間ほどは一度でもDIP関節を曲げると、その瞬間に腱が剥離するので、もう一度最初から固定期間がリセットされてしまうことを強調しました。


大学の手の外科医師とも話しをしたのですが、やはり腱性マレットに関してはシーネの着脱を患者さんに絶対にさせてはいけないとの結論に到達しました。


この理由は、患者さんだけでDIP関節を伸展位に保ったままシーネを着脱することは不可能だからです。少しでもDIP関節を屈曲すると腱が切れてしまい、一からやり直しとなります。


したがって外来受診の際、医師の監視下にDIP関節を伸展位に保ったまま、アルコール綿花等で患指を清拭するのが最も確実性が高くて理想的だと思います。


なかなかそこまで気が回らないですが、腱性マレットの保存治療ではシーネの着脱を患者さんに絶対にさせてはいけないということが最も大事なポイントだと思います。



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腱性マレットの保存治療

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転位のある骨性マレットの治療は経皮的骨接合術が一般的ですが、腱性マレットの治療は保存治療でかなり機能改善します。そこで腱性マレットの保存治療についてまとめてみました。


私の場合、受傷後4週間はDIP関節やや過伸展・PIP関節屈曲70~90度で掌側からのシーネ固定を行います。いわゆるボタン穴変形のような肢位を敢えて維持するのです。


受傷後4~8週間はPIP関節はフリーにして、DIP関節のみ過伸展位で背側からシーネ固定します。更に受傷後8週間~12週間はDIP関節のスプリントを常用します。


この方法でかなりよく治りますが、ひとつポイントがあります。それは少なくとも受傷後8週間のシーネ固定をしている間は、絶対に患者さん自身でシーネを外させないことです。


受傷後8週間は1回でもDIP関節を屈曲すると、その瞬間に腱が切れてしまい、一からやり直しとなるからです。このことは患者さんにも充分説明して納得していただく必要があります。




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保存治療でACL装具はいつまで装着?

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今日の午前は外来でした。
2ヵ月前にACL損傷を受傷した高校2年生の野球少年を治療しています。


スポーツ選手なので本来ならACL再建術の適応があります、しかし高校3年生の夏の引退までに競技復帰できそうにないので、やむを得ず保存治療を選択しました。


このようなACL損傷で保存治療を選択した場合、いつまで軟性装具を装着するかが問題になります。私の場合、受傷後3ヵ月程度は常用してもらっています。


ACL損傷で問題になるのは、関節不安定性のため関節捻挫を繰り返すことです。これを防ぐためにある程度軟部組織がしっかりするまでの3ヶ月間は軟性装具を常用するのです。


人によって関節捻挫を反復する可能性が大きく異なるので一律に3ヶ月は乱暴かもしれません。しかしある程度の目安として患者さんには3ヶ月間常用の話をしています。


もちろんスポーツ選手なら、競技時に軟性装具装着を義務付ける必要があります。軟性装具を装着しても完全に制動するのは難しいですが、装着しないよりはマシだと思います。


尚、軟性装具常用の弊害として大腿四頭筋力の低下が挙げられます。これを防ぐために大腿四頭筋訓練を積極的に施行してもらう必要があります。



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