医師がアーリーリタイアする場合、もしくは大学医局の人事を離れてフリーランス医師に転向するに際しては、年金と健康保険も問題になります。


尚、アーリーリタイアやフリーランス医師ではなく、単に医局人事を離れて常勤医として転職する場合は、新しい勤務先の年金と健康保険に加入することになるので選択の余地がありません。


アーリーリタイアやフリーランス医師への転向に際して、
年金と健康保険はの組み合わせは下記のようなパターンとなります。


① 法人を利用して 「厚生年金+協会けんぽ」
② 個人として 「国民年金+国民健康保険」




健康保険の考え方


このうち、健康保険の考え方は非常に簡単です。何故なら保険料と給付の間に何の関係も無いため、基本的にはできるだけ保険料の安い健康保険に加入することが望まれるからです。


まず、国民健康保険(市町村国保)ですが、保険料はその世帯所得と加入者数によって決定します。世帯所得や加入者数が多ければ多いほど保険料が高くなります。


ただし、際限なく上がるわけではなく上限額が設定されています。上限額は医療分(67万円)と介護保険分(14万円)に大別され、上限額は40~64歳で計81万円、65歳以上では67万円です。


一方、協会けんぽは40~64歳の保険料率は11.70%で、上限は1698840円です。尚、自分で経営している法人を前提にしているので、169万円は折半額ではなく全額での保険料です。




年金の考え方


次に年金ですが保険料と給付に相関はあるものの、個別性が高くてシュミレーションが難しいです。また年金制度の継続性に疑義があるため、現時点のシュミレーションは意味がありません。


まず国民年金ですが、支払はシンプルで15250円/月(183000円/年)です。ただし配偶者の年金も支払う必要があるので、配偶者の居る世帯は30500円/月(366000円/年)となります。


一方、厚生年金ですが、201324円~1273728円まで標準報酬に応じて差があります。尚、厚生年金に加入していると、自動的に本人・配偶者とも国民年金にも加入していることになります。


配偶者が居る場合、厚生年金の保険料が国民年金とほぼイコールになるのは、標準報酬18万円(所得216万円)です。これよりも低い所得では厚生年金の方がトクと言えるでしょう。


※ 正確には厚生年金分の給付が上積みされるため、
   もう少し上の標準報酬でイコールになります。




管理人のお勧めパターンは?


ここまで年金と健康保険について概説しましたが、現時点での保険料の安さでは「国民年金+国民健康保険」がベストだと思います。年金の不足分は個人型確定拠出年金でカバーします。


個人型確定拠出年金は個人型401kとも呼ばれ、掛金が全額所得控除のうえ、運用益(キャピタルゲイン)は非課税なので、節税をしながら年金作りが可能です。


運用を自分で行う必要がありますが(といっても商品を選択するだけです)、私ならGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)にお任せの厚生年金よりも自分の運用能力を信用します。




結論


アーリーリタイア、もしくは大学医局の人事を離れてフリーランス医師に転向するに際して、
私なら  「  国民年金 + 国民健康保険 + 個人型確定拠出年金  」  を選択します。





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