先日から立て続けに片側腰背部のピリピリ感を主訴にした患者さんを診察しました。両名とも発症から2日ほどで、「腰痛」「背部痛」が主訴でした。
受付の段階では「腰痛」「背部痛」でしたが、よく問診を取ると痛みというよりも服が擦れたときに痛いという訴えでした。これは帯状疱疹の症状である可能性を考えなければなりません。
しかし、まだ発症から間が無いので、両名とも特に皮膚症状はありませんでした。たまたま近くに皮膚科医師が診察されていたので、思い切って相談してみました。
状況判断的に帯状疱疹が疑われても、やはり皮膚症状が出ていない患者さんに対して抗ウイルス薬を投与することはあまり無いようです。
それはそうだなと納得しましたが、その際に帯状疱疹についての簡単なレクチャーを受けました。私が見たことのある帯状疱疹は全て小さな水疱を伴う状態でした。
しかし、初期の段階では水疱ではなく、単なる赤い斑点だそうです。帯状疱疹というと、小さな水疱が無いか?を探していましたが、初期段階では水疱ではなく赤い斑点を探すべきなのです。
う~ん、そうなのか・・・。もしかしたら、帯状疱疹の初期段階の患者さんを見逃していた可能性を否定できません。これからは水疱だけでなく赤い斑点を探していこうと思います。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。
姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。