整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

偽関節

偽関節の分類法

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨遷延治癒の症例相談がありました。
この機会に偽関節と遷延治癒についてまとめてみました。


Weber分類とMüller分類が有名です。Weber分類は骨折部の単純X線像からみた分類で、Müller分類は偽関節治療の観点から分類されています。最も有名なWeber分類を示します。



Weber分類

生物学的活性のあるもの

  1. 増殖型(elephant foot type)
  2. 中間型(horse hoof type)
  3. 無仮骨型(oligotrophic type)
生物学的活性のないもの
  1. 第三骨片・粉砕型(dystrophic type、necrotic type)
  2. 骨欠損型(defect type)
  3. 萎縮型(atrophic type)



    52 - コピー





    よく臨床で遭遇するのは、
    増殖型(elephant foot type)もしくは中間型(horse hoof type)だと思います。これらのhypertrophic typeは内固定方法を変更するだけで骨癒合します。







    ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


    豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








    タバコ臭と画像所見はウソつかない

    このエントリーをはてなブックマークに追加


    外来で鎖骨骨折の保存治療を施行している患者さんがいるのですが、受傷後3ヵ月しても仮骨形成を認めません。転位はそこそこありますが、経験では骨癒合を獲得できそうでした。


    しかし、全く仮骨形成を認めません。う~ん、おかしいな・・・受傷後1ヵ月の時点でかなりのヘビースモーカーであることに気付いた私は、完全禁煙を指示しました。


    喫煙は、骨癒合獲得にかなりの悪影響を及ぼすことを重ねて説明しました。ご本人も納得されて、「がんばって禁煙します!」という返事です。


    禁酒ほどではないものの、ヘビースモーカーにとって禁煙はなかなかハードルが高い印象です。それでも骨癒合のために、がんばって禁煙を守ってくれることを期待しました。


    それ以後、禁煙継続中です!と毎回おっしゃられるのですが、全く骨癒合する気配がありません。どうしたものかと思案していると、ふと患者さんがかなりタバコ臭いことに気付きました。


    アレッ? この臭いはタバコでは・・・。問い詰めましたが、やはり完全禁煙を継続しているとのことでした。一応、家族の副煙流もかなり骨癒合に悪影響を及ぼすことを説明しました。


    しかし、感覚的には十中八九、禁煙していなさそうです。やっぱりな・・・。よく高尿酸血症の治療で減酒しています!とおっしゃられるアレと同じパターンのようです。


    減酒もしくは断酒しているのに、この γ-GTPの高さは何ナノだと思うことが多々ありますが、これと同じパターンなのでしょう。


    タバコの臭いと画像所見は、本当に禁煙を実施できているか否かに正直です。こちらは、骨癒合して欲しいから言っているだけなんだけどなぁ・・・




    ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


    整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








    圧迫骨折の偽関節化予防にPTH投与

    このエントリーをはてなブックマークに追加

    高齢者の脊椎圧迫骨折で骨粗鬆症の強い症例では、ときどき初診時から圧潰した椎体内にintravertebral vacuum phenomenonを認めることがあります。


    この所見をみとめると高率に椎体骨折は偽関節化します。このような症例では早期からかなり厳密な安静と仰臥位禁止を指示しますが、残念ながら偽関節化する症例が後を絶ちません。


    偽関節化すると慢性疼痛や遅発性麻痺の原因となるので、何とか偽関節化を阻止したいです。最近、このような症例に受傷早期からPTH製剤(フォルテオ)を投与してみました。


    すると、intravertebral vacuum phenomenonは椎体前方にのみ部分的に残存するものの、椎体中央から後方にかけてはしっかり骨癒合する症例を何名か経験しました!


    今のところ、完全に偽関節化する症例は幸い経験していません。私の肌感覚では受傷早期からのPTH製剤投与は脊椎圧迫骨折の偽関節化の予防に役立っていると思います。


    PTH製剤に関してはTHA後のステム周囲骨折でもかなりの効果を発揮してくれました。高価な薬剤なので乱用はいけませんが、難しい症例では心強い味方になってくれる存在だと思います。


    私の場合、初診時~受傷後1ヵ月以内に椎体内にintravertebral vacuum phenomenonを認めた症例では、骨癒合するまでの間は3ヶ月程度を目安にしてPTH製剤を投与します。


    椎体の骨癒合が完成すれば基本的にはPTH製剤の投与は不要ですが、そのまま2年間の投与を継続する方も多いです。


           ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


     
     一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                          

     症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





    姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                           


           類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



    若年者の鎖骨遠位端骨折の治療

    このエントリーをはてなブックマークに追加


    先日、鎖骨遠位端骨折の女子高生を診察する機会がありました。
    骨端は完全に閉鎖しており、単純X線像上では成人です。


    鎖骨遠位端骨折(鎖骨外側端骨折)は、なかなか厄介な骨折だと思います。保存治療では骨癒合を得にくく、比較的高頻度に偽関節や遷延治癒となってしまう印象です。


    特に活動性の低い高齢者の鎖骨遠位端骨折の治療において、手術治療と保存治療を迷った挙句に保存治療を選択するケースでは、かなりの頻度で偽関節化した苦い経験があります。


    手術中に骨折部の転位状況を多数目撃した経験上では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても、実際には前後に大きく転位しているケースが多いためだと考えています。


    このため、単純X線正面像ではあまり転位が無いように見えても、骨癒合をなかなか得られないことが多いのです。しかし、今回のケースは女子高生です。


    低侵襲手術を心掛けても露出部に手術創を残してしまいます。かなり悩みましたが、仮に偽関節化しても大きな機能障害は残らないであろうという説明を行い、保存治療を選択しました。


    偽関節化して痛みが残った場合には偽関節手術となりますが、自分の子供なら悩みながらも保存治療を選択するだろうなと思うので、三角巾+バストバンドで患肢固定を行うつもりです。



           ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

    豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です




                             

                 
    救急・当直で必ず役立つ!骨折の画像診断




    足趾骨折の診断は慎重に!

    このエントリーをはてなブックマークに追加


    外来をしていると、足趾の打撲で受診される患者さんを診察する機会が多いです。
    病院に来るぐらいの疼痛なので、高率に足趾骨骨折を受傷されている印象です。


    しかし、足趾は個人差が大きく、外側の足趾ほどバリュエーションに富みます。特に末節骨と中節骨が癒合しているケースをよく見かけます。


    このような末節骨と中節骨が癒合している患者さんでは、骨折なのかもともとあるDIP関節なのかの判断に苦しむことがあります。このような時には健側と比較すれば解決しそうです。


    しかし、右側の第4足趾は末節骨と中節骨が癒合しているが、左側の第4足趾は末節骨と中節骨が独立しており、DIP関節が存在している方も散見します。


    このようなケースでは、やはり基本に戻って患者さんの身体所見を中心にして骨折の有無を診断することがベストだと思います。


    足趾末節骨骨折は意外と偽関節化することが多い印象です。偽関節化しても疼痛が残存することは少なく、適確に診断するか否かに関わらず治療成績は変わらないことが多いですが・・・。



           ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

    豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です




                             

                 
    救急・当直で必ず役立つ!骨折の画像診断




    アクセスカウンター
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    管理人の著書

    161228 【書影】医師の経済的自由
    管理人によるケアネット連載コラム
    log_carenet

    医師のためのお金の話

    管理人による m3.com 連載コラム
    管理人も参加しているオンラインサロン
    勤務医のための資産形成マニュアル
    築古木造戸建投資マニュアル

    医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
    医師のための 金融資産形成術
    医師のための金融資産形成術

    タダで自宅を手に入よう!

    医師のための収益マイホーム購入マニュアル


    配送無料! 医学書 購入サイト
    プロフィール

    自由気ままな整形外科医


    ・医学博士
    ・日本整形外科学会専門医
    ・日本リウマチ学会専門医
    ・不動産投資家
    ・超長期金融資産投資家
    ・ビジネスオーナー
    ・宅地建物取引主任士

    QRコード
    QRコード
    記事検索
    メッセージ
    免責事項
    免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。