整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

偽関節

タバコ臭と画像所見はウソつかない

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外来で鎖骨骨折の保存治療を施行している患者さんがいるのですが、受傷後3ヵ月しても仮骨形成を認めません。転位はそこそこありますが、経験では骨癒合を獲得できそうでした。


しかし、全く仮骨形成を認めません。う~ん、おかしいな・・・受傷後1ヵ月の時点でかなりのヘビースモーカーであることに気付いた私は、完全禁煙を指示しました。


喫煙は、骨癒合獲得にかなりの悪影響を及ぼすことを重ねて説明しました。ご本人も納得されて、「がんばって禁煙します!」という返事です。


禁酒ほどではないものの、ヘビースモーカーにとって禁煙はなかなかハードルが高い印象です。それでも骨癒合のために、がんばって禁煙を守ってくれることを期待しました。


それ以後、禁煙継続中です!と毎回おっしゃられるのですが、全く骨癒合する気配がありません。どうしたものかと思案していると、ふと患者さんがかなりタバコ臭いことに気付きました。


アレッ? この臭いはタバコでは・・・。問い詰めましたが、やはり完全禁煙を継続しているとのことでした。一応、家族の副煙流もかなり骨癒合に悪影響を及ぼすことを説明しました。


しかし、感覚的には十中八九、禁煙していなさそうです。やっぱりな・・・。よく高尿酸血症の治療で減酒しています!とおっしゃられるアレと同じパターンのようです。


減酒もしくは断酒しているのに、この γ-GTPの高さは何ナノだと思うことが多々ありますが、これと同じパターンなのでしょう。


タバコの臭いと画像所見は、本当に禁煙を実施できているか否かに正直です。こちらは、骨癒合して欲しいから言っているだけなんだけどなぁ・・・




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圧迫骨折の偽関節化予防にPTH投与

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高齢者の脊椎圧迫骨折で骨粗鬆症の強い症例では、ときどき初診時から圧潰した椎体内にintravertebral vacuum phenomenonを認めることがあります。


この所見をみとめると高率に椎体骨折は偽関節化します。このような症例では早期からかなり厳密な安静と仰臥位禁止を指示しますが、残念ながら偽関節化する症例が後を絶ちません。


偽関節化すると慢性疼痛や遅発性麻痺の原因となるので、何とか偽関節化を阻止したいです。最近、このような症例に受傷早期からPTH製剤(フォルテオ)を投与してみました。


すると、intravertebral vacuum phenomenonは椎体前方にのみ部分的に残存するものの、椎体中央から後方にかけてはしっかり骨癒合する症例を何名か経験しました!


今のところ、完全に偽関節化する症例は幸い経験していません。私の肌感覚では受傷早期からのPTH製剤投与は脊椎圧迫骨折の偽関節化の予防に役立っていると思います。


PTH製剤に関してはTHA後のステム周囲骨折でもかなりの効果を発揮してくれました。高価な薬剤なので乱用はいけませんが、難しい症例では心強い味方になってくれる存在だと思います。


私の場合、初診時~受傷後1ヵ月以内に椎体内にintravertebral vacuum phenomenonを認めた症例では、骨癒合するまでの間は3ヶ月程度を目安にしてPTH製剤を投与します。


椎体の骨癒合が完成すれば基本的にはPTH製剤の投与は不要ですが、そのまま2年間の投与を継続する方も多いです。


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若年者の鎖骨遠位端骨折の治療

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先日、鎖骨遠位端骨折の女子高生を診察する機会がありました。
骨端は完全に閉鎖しており、単純X線像上では成人です。


鎖骨遠位端骨折(鎖骨外側端骨折)は、なかなか厄介な骨折だと思います。保存治療では骨癒合を得にくく、比較的高頻度に偽関節や遷延治癒となってしまう印象です。


特に活動性の低い高齢者の鎖骨遠位端骨折の治療において、手術治療と保存治療を迷った挙句に保存治療を選択するケースでは、かなりの頻度で偽関節化した苦い経験があります。


手術中に骨折部の転位状況を多数目撃した経験上では、単純X線正面像であまり転位が無いように見えても、実際には前後に大きく転位しているケースが多いためだと考えています。


このため、単純X線正面像ではあまり転位が無いように見えても、骨癒合をなかなか得られないことが多いのです。しかし、今回のケースは女子高生です。


低侵襲手術を心掛けても露出部に手術創を残してしまいます。かなり悩みましたが、仮に偽関節化しても大きな機能障害は残らないであろうという説明を行い、保存治療を選択しました。


偽関節化して痛みが残った場合には偽関節手術となりますが、自分の子供なら悩みながらも保存治療を選択するだろうなと思うので、三角巾+バストバンドで患肢固定を行うつもりです。



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足趾骨折の診断は慎重に!

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外来をしていると、足趾の打撲で受診される患者さんを診察する機会が多いです。
病院に来るぐらいの疼痛なので、高率に足趾骨骨折を受傷されている印象です。


しかし、足趾は個人差が大きく、外側の足趾ほどバリュエーションに富みます。特に末節骨と中節骨が癒合しているケースをよく見かけます。


このような末節骨と中節骨が癒合している患者さんでは、骨折なのかもともとあるDIP関節なのかの判断に苦しむことがあります。このような時には健側と比較すれば解決しそうです。


しかし、右側の第4足趾は末節骨と中節骨が癒合しているが、左側の第4足趾は末節骨と中節骨が独立しており、DIP関節が存在している方も散見します。


このようなケースでは、やはり基本に戻って患者さんの身体所見を中心にして骨折の有無を診断することがベストだと思います。


足趾末節骨骨折は意外と偽関節化することが多い印象です。偽関節化しても疼痛が残存することは少なく、適確に診断するか否かに関わらず治療成績は変わらないことが多いですが・・・。



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大腿骨転子部骨折後のFHR

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昨日の大腿骨転子部骨折後偽関節のつづきです。診断に関しては、ショートネイルが入っている状態でも、意外とCTを撮影することで偽関節の診断が可能なことをお伝えしました。


次に問題になるのは手術ですが、基本的には通常の人工骨頭置換術やTHAよりもかなり難しいです。revision THAほどではないですが、それに近い感覚かもしれません。


まず、ネイルの抜釘ですが、刺入部の表面は骨に覆われていて分かりにくいことが多いです。この場合には、まずラグスクリュー刺入部を展開してドライバーを挿入します。


ドライバーの方向からネイル刺入部位を推定します。そして、その部分をk-wireでドリリングして位置を探ります。k-wire先端に金属が当たる部位を切除するとネイル刺入部を展開できます。


一般的にネイルは大転子頂点から挿入されているので、大転子が菲薄化して強度が弱くなっている可能性があります。このため、術中操作では細心の注意を払う必要があります。


基本的に、セメントレスステムが前提の場合にはS-ROM-Aでの対応が望ましいと思いますが、バックアップでセメントステムも準備しておくとよいでしょう。


術後Xp



ただ、セメントステムはどのような症例でも対応可能ですが、脱臼肢位の確認を充分にできないことから一発勝負になりがちなので、できるだけ避けたいところです。




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