今日の午前はアルバイト先での外来でした。
相変わらず、多数の患者さんが受診されます。


やはり主な対象疾患は、変形性膝関節症と変形性脊椎症です。いずれも初回治療は消炎鎮痛剤による薬物治療ですが、処方の際の一言(ひとこと)に少しポイントがあるような気がします。


昔の私は、「じゃあ、痛み止めを1週間処方しておきますね」と言っていましたが、多くの患者さんは、「痛み止めは痛みをごまかしているだけですよね?」という受け止め方をします。


そこで最近では、「じゃあ、炎症を抑えるお薬を1週間処方しておきますね」と言っています。すると、患者さんは、”お薬で炎症を抑えて根治治療をしている”と受け止めてくれるのです。


このように単なる消炎鎮痛剤であっても、処方の際の一言(ひとこと)で患者さんの治療に対するモチベーションが随分異なることに気付きました。


整形外科外来の治療選択においては消炎鎮痛剤処方が大きなウェイトを占めます。つまり極論すると、如何にして消炎鎮痛剤を納得して服用してもらうかが大きなポイントなのです。


18年目になってようやく気付いたことなので少し公表するのが恥ずかしいですが、いわゆるプラセボ効果も期待できて「炎症を抑えるお薬」はなかなか良い言い回しだと思います。


これ以外にも何か良い言い回しがあるようでしたら、是非教えてください!



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