整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

副作用

NSAIDSの副作用対策はPPIで!

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表題違いで恐縮ですが、m3.comの連載企画【医師のための資産形成】第3回が昨日アップされました。お題は、消費者金融株で大やけど です。



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今回の連載は、ビギナーズラックで得た180万円を全て吹き飛ばしてしまったという内容です。やはり世の中はそんなに甘くないですね。。。


m3.comでは、基本的に失敗談を中心に連載しています。失敗だらけの人生なので執筆が非常に楽です(笑)。1分ほどで読了可能なので、是非m3.comを訪問してくださいね。


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さて本題ですが、整形外科医にとって、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)処方はメジャーな医療行為です。外来でNSAIDSを処方しない日は無いと言っても過言ではありません。


そんなポピュラーな薬剤であるNSAIDSですが、代表的な副作用に消化管障害があります。この副作用を防ぐために、NSAIDSと胃薬を処方することが一般的です。


胃薬では粘膜保護剤が選択されることが多いですが、本当に問題ないのでしょうか? 周知のように、粘膜保護剤は胃酸の分泌を調節するわけではありません。


胃の粘膜を保護することで胃の防御機構を回復させる効用がありますが、胃の粘膜を保護作用が裏目に出て、NSAIDSによる副作用をマスクしてしまう可能性があります。


NSAIDSによる消化管障害を防止するためには、胃酸の分泌を抑えるしかありません。このため、唯一の副作用併発防止対策は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方なのです。


NSAIDSにPPIをセットで処方するのは、薬価の問題や病名をつける煩わしさがあるので、あまり一般的ではありません。


しかし、比較的長期にわたってNSAIDSを処方せざるを得ない患者さんでは、粘膜保護剤処方は適切ではありません。PPI処方を検討することをお勧めします。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








オピオイド誘発性便秘症の新薬発売!

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スインプロイクという薬剤をご存知でしょうか? オピオイド誘発性便秘症治療薬(OIC)の治療薬として、2017年3月30日に塩野義製薬が製造販売承認を取得した。


私は、鎮痛剤としてトラムセットやトラマールなどのオピオイド製剤を処方することが多いですが、いつも副作用対策に悩まされています。


オピオイド製剤の副作用は ①眠気 ② 悪心・嘔吐 ③ 便秘 ですが、③の便秘だけは耐性が形成されないため、特に女性や高齢者への処方を躊躇しがちです。


オピオイド製剤は、 脳内のμ受容体に作用することで鎮痛効果を発揮する一方、消化管のμ受容体に作用して、消化管の運動抑制や腸液分泌の減少を複合的に引き起こします。


便秘対策として酸化マグネシウム製剤などの緩下剤やセンノサイドなどの腸管刺激性製剤を処方していますが、作用機序を考えるとオピオイド誘発性便秘症の治療には適していません。


まず、酸化マグネシウム製剤の作用機序ですが、これが消化管内に存在することで水分が腸管内に移行して来ます。 この水分が便に浸透することで排便を促します。


センノサイドなどの腸管刺激性製剤は、胃や小腸でほとんど吸収されずに大腸へ到達します。 そして、大腸の腸管粘膜や神経叢を直接刺激することで蠕動運動を促進します。


一方、スインプロイクは、消化管のμ受容体に対する拮抗薬です。消化管のμ受容体においてオピオイド製剤と拮抗することで、オピオイド製剤による便秘症状を改善します。


つまり、作用機序を考えると、オピオイド誘発性便秘症対策にぴったりの薬剤なのです。早く臨床の現場で処方できるようになってほしいものです。





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バファリンの主成分にびっくり!

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先日、急性腰痛症の中年女性が初診されました。
画像所見や神経学的所見で、特に異常が無かったため経過観察としました。


早期に職場復帰をする必要があったので、痛みを何とかして欲しいと懇願されました。しかし、この方は市販のバファリンでアナフィラキシーショックを併発したことがあるそうです・・・


薬剤師さんに市販のバファリンの成分を調べてもらったところ、バファリンの全ブランド中で主に下記の3つの成分が含まれているそうです。


・ アセチルサリチル酸(アスピリン): バファリンAなど
・ イブプロフェン: バファリンプレミアム、バファリンルナiなど
・ アセトアミノフェン: バファリンプレミアム、バファリンルナiなど


イブプロフェンはプロピオン酸系の非ステロイド系消炎鎮痛剤 (NSAID) です。つまり「バファリンで薬剤アレルギーがあった」と言われると既存の消炎鎮痛剤のほとんどが使用不可となります。


少し思案した結果、上記成分を含まない非オピオイド製剤であるトラマールであれば、バファリンで薬剤アレルギーを併発した患者さんに対しても問題無さそうという結論に達しました。


「バファリンで薬剤アレルギーがあった」という方は多いですが、この既往にために意外なほど薬剤処方に際して制約を受けてしまうことを改めて認識しました。



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 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





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       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



トラムセットは入院中が処方し易い

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私は鎮痛剤を選択する場合に、腎機能障害がロキソニン等と比べて少ないと言われているトラムセットを使用するケースが多いです。


トラムセットは眠気と便秘が2大副作用なので、外来では若年者であっても慎重に眠前1錠から投与開始するケースが多いです。このため、導入が面倒くさい印象のある薬剤です。


上記の副作用のため、私は高齢者には使いづらい薬剤だと思っていました。何故なら高齢者には便秘症の方が多いですし、ふらついて転倒するリスクもあるからです。


一方、整形外科の入院患者さんには高齢者が多いです。前述したように以前から私には「高齢者にトラムセットは使いにくい」という刷り込みがありました。


しかし良く考えたら、入院中の高齢者に関しては外来でトラムセットを処方することに比べて、眠気と便秘といった副作用に注意するストレスがそれほど高くないことに気付きました。


何故なら、入院中の方に上記の副作用が発生しても簡単に対処できるからです。トラムセットの副作用は比較的早期に出現します。


このため、眠前1錠服用してもらって翌日に患者さんの回診をすることで、少なくとも眠気やふらつきの有無は確認できます。便秘に関しても入院中であれば容易に緩下剤で調整可能です。


このことに気付いてから、入院中の高齢の患者さんの疼痛コントロールでは積極的にトラムセットを使用するようになりました。疼痛治療も日々変化していくことを実感します。



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 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





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       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



圧迫骨折患者さんの第一選択薬は?

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以前、腎機能に優しい整形外科医で記載したように、高齢者に対してはできるだけNSAIDsの長期投与を避けるべきだと思います。このことに関しては、COX-2阻害剤も例外ではありません。


最近、立て続けに80歳台の高齢者の脊椎圧迫骨折の入院がありました。受傷から3~4週間程度はかなり痛みがあるので、フレームコルセット装着下であっても離床が困難となります。


ロキソニン等のNSAIDsを、80歳台の高齢者に3~4週間も投与し続けることは少し気持ち悪いです。しかし、アセトアミノフェンでは鎮痛効果をあまり見込めません。


そこで、最近では積極的にトラムセットを投与するようになりました。外来診療では便秘・眠気・嘔気などの副作用が気になって高齢者には処方しにくいです。


しかし、入院中の患者さんなら副作用を併発しても迅速に対応できるので、NSAIDsやアセトアミノフェンではなく、腎機能障害の少ないトラムセットを第一選択で処方するようにしたのです。


トラムセットなら3~4週間程度投与しても、それほど大きな問題は併発しなさそうです。また、NSAIDsやアセトアミノフェンよりも鎮痛効果が高いとのことで、患者さんからの評判も上々です。


外来では処方をはばかられる患者層でも入院なら簡単に導入できるので、脊椎圧迫骨折のように比較的長期投与が必要な方には、トラムセットを第一選択にしてもよいかもしれませんね。



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