整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

副作用

自己調整してもらい最短で維持量へ!

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今日の午前はアルバイト先での外来でした。
この病院での外来も、やはり脊椎由来の痛みの治療が多いです。


神経根症状はすぐには軽快しないので、比較的長丁場での治療になると思います。このような
ケースでロキソニン等のNSAIDsを投与し続けることは副作用を考えると少し躊躇します。


そこで、トラムセットやリリカの登場となりますが、これらの薬剤の問題点は副作用の併発を避けるために少量から漸増させるという薬剤の容量調整が必要なことです。


少量では充分な効果を得ることが難しいため、初診から充分量のトラムセットやリリカを投与できるまでの期間は、ロキソニン等のNSAIDsを併用することでしのいでいます。


しかし、厳密にこの工程を実行するには初診からしばらくは毎週受診してもらう必要があります。既に退職している高齢者なら問題無いですが、忙しい現役の社会人では難しいことが多いです。


この場合、私は初診時に最少量の初期投与を行い、次週の再診時に副作用の有無を確認します。副作用が無い場合には、通常量を処方して患者さんに自己調整してもらうことが多いです。


例えば、比較的若年者であれば、それぞれ下記のような処方を行うことが多いです。
 トラムセット:  1錠 眠前 → 3錠 分3後
 リリカ:      75mg × 1カプセル 眠前 → 75mg × 4カプセル 分2後朝夕
 


このような処方を行った上で副作用の有無を確認しながら、リリカは2~3日おきに1カプセルずつ増量、トラムセットも同様に2~3日おきに1錠ずつ増量してもらいます。


そして、2回目の診察終了時には「残薬がどれだけあるか数えてきてください」と言っておきます。3回目の診察に際には、余っている薬剤を差し引いた量を処方するのです


このように処方することで、3回目の診察時には、リリカやトラムセットが維持量に到達していることが多く、忙しい社会人であっても少ない外来回数で治療効果を享受することができます。




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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



久しぶりにお会いすると肥えていました・・・。リリカの副作用か?

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今日の午前は出張先での外来でした。THA術後フォローの患者さんが定期健診で受診されましたが、この方には帯状疱疹後神経痛に対してリリカを投与しています。


3ヶ月ぶりにお会いしたところ、ふっくらとされていました。「?」と思ってお伺いすると、何と3ヶ月で5Kgも太ったとのことです!これは噂に聞くリリカのSEのひとつである体重増加なのでしょうか?


ふっくらされているのはお腹周りが中心で、四肢末梢の浮腫は認めませんでした。特に、食欲が亢進しているワケでもないそうです。そこそこの年齢の方で、3ヶ月に5Kgも体重増加することはあまり無いように思います。


ただ、自分の経験上、体重を減らすことは難しいですが、油断をすると簡単に体重は増えてしまいます(笑)。だから、もし自分の立場であればリリカのSEとは言い切れないなと思ってしまうので、判断が難しいところです。


しかし、このまま見過ごすワケにはいかないので、とりあえずリリカの処方を一旦中止しました。次回は体重の推移を観察するため、2ヵ月後に再診の予約しました。


これで体重が元に戻っていればリリカのSEの可能性が高いということになります。リリカを処方する場合には、やはり体重増加の有無もヒアリングする必要があるなと感じました。





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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


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慢性鎮痛に対するトラムセットの副作用対策

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慢性鎮痛に対するトラムセットの投与方法 のつづきです。


副作用対策ですが、悪心・嘔吐は数日で軽快していくケースが多いように感じます。そこで投与開始時の悪心・嘔吐を回避するために、屯用としてプリンペランを3錠×7日分処方しています。トラムセットは増量する毎に悪心・嘔吐を併発することが多いので、2週目以降も初回に投与したプリンペランを流用してもらいます。


次に便秘ですが、これはマグミットやプルゼニドなどの緩下剤で対応可能なことが多いです。副作用としてはこの2つ(悪心・嘔吐と便秘)が主な症状なので、処方をルーチン化することである程度回避可能だと思います。


最後になりますが、トラムセットはほとんどの症例で鎮痛効果を得られるので、器質的な痛みの原因を見落としてしまう可能性があると感じています。痛みが軽快すれば、喉もと過ぎれば・・・的な状態になってしまい、癌の脊椎転移などの発見が遅れてしまうことがありそうで怖いです。



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       総論   (診察・診断、治療全般、骨折・外傷、周術期管理)
 

       各論   (手の外科、肩関節、脊椎、股関節、膝関節、足の外科、腫瘍)

       その他 (関節リウマチ、痛風・高尿酸血症、骨粗鬆症、専門医試験)



慢性疼痛に対するトラムセットの投与方法 

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外来をしていると、なかなか疼痛コントロールをできない症例を経験します。私の場合、消炎鎮痛剤は、セレコックス ⇒ ロキソニン ⇒ モービックという順番で投与することが多いです。


私にとってモービックは最後の砦に近い存在で、この薬剤が無効のケースではなかなか妙案がありませんでした。しかし最近ではトラムセット等の慢性疼痛に効果のある薬剤があるので、以前よりは疼痛コントロールが容易になってきています。


ただ、トラムセットはオピオイドなのでNSAIDsには無い副作用があります。代表的な副作用は、悪心・嘔吐と便秘です。当初は添付文書どおりにトラムセットを投与していたので、副作用が強すぎて継続できない症例が多発しました・・・。


そこで、眠前1錠投与から開始して鎮痛効果をみながら1週毎に1錠ずつ増量していく方法に切り替えました。ほとんどの症例は、2錠(朝後、眠前)までの増量で鎮痛効果を得ることができています。尚、トラムセット投与前から処方していたNSAIDsは、トラムセットと1週間程度併用しています。


慢性疼痛に対するトラムセットの副作用対策 につづく




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