先日から化膿性膝蓋前滑液包炎の治療を行っています。
私は、化膿性滑液包炎の治療に対して苦手意識を抱いています。
膝蓋前滑液包や肘頭滑液包などの滑液包内の感染が一度完成してしまうと、治療が長期化する傾向にあるためです。感染治療の原則に沿うと、ドレナージをすることになります。
しかし、滑液包の一部を小切開してタンポンを詰めると、延々と創処置を続けることになります。これは私たちにとっても患者さんにとっても苦痛な治療です。
このため、私は化膿性滑液包炎に遭遇すると、早期から抗生剤の点滴治療を開始します。中途半端に経口抗生剤でお茶を濁すのではなく、下記の方針で治療を行っています。
- 数日ほど抗生剤点滴投与 → 経口抗生剤にスイッチ
- 頻回(毎日)の滑液包穿刺
- デッドスペースを減らすために患部を圧迫固定
最終的に治療が長期化しそうになれば、滑液包を大きく切開して内部を全て露出させると、あっという間に感染がおさまり創も治癒していきます。
もちろん、最初から滑液包を大きく切開する手もありかもしれません。しかし、この方法の難点は大きな切開創が残ってしまうことです。どちらが良いのかは悩むところです。。。
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