先日、アルバイト先で外来をしていると検査技師さんがやってきました。
膝関節偽痛風疑いの患者さんでオーダーした関節液の検鏡検査についての相談とのことです。


相談は、ピロリン酸カルシウムの有無を調べる関節液の検鏡検査は保険適応ではないため、患者さんの自己負担もしくは病院負担になるけどよろしいでしょうか? という内容でした。


ええっ!? ピロリン酸カルシウムの有無を調べる検査は保険適応ではないの? と驚きましたが、調べてみると確かに収録されていないようです。


今まで何の疑問も無くオーダーしていましたが、どうやら病院が負担していたようです。病院負担もおかしな話なので、患者さんに説明した上で了承いただいた方のみ施行することにしました。


そして、私のホームグランドの病院でも確認したところ、やはり病院が負担しているとのことでした。灯台下暗しとはこのことです。知らなかったのは私だけかもしれませんが・・・


検査費用は1000円とのことなので、その費用と診断価値を検討してみました。私の勤めている施設では外注になるので、検査結果が出るのは翌日以降になります。


化膿性関節炎か否かの判断は血液生化学検査・局所所見・ご本人の重篤感などである程度判断は可能です。私の場合、ピロリン酸カルシウムの有無はステロイド関注施行の免罪符です。


このように考えると患者さんや病院に負担してもらってまで行う価値があるのか微妙に思えてきました。しかし、検査費用は1000円なので、これで診断の精度が上がるのならアリとも思えます。


1000円のピロリン酸カルシウムの検査の適否は意外にも難しい問題かもしれません。他の先生方はどのように考えているのか興味のあるところです。



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