先日、外来をしていると足関節の痛みが続くという患者さんが初診されました。
受傷から1ヶ月経過するのに、未だに足関節内側の腫脹と圧痛が残存しています。


ご本人曰く、近くの接骨院でレントゲンを撮ってもらったが何とも無かったと言われたとのことでした。接骨院でレントゲン撮影??? 一瞬訳が分からなかったですが、すぐにピンと来ました。


近くに古くからの内科医院があるのですが、同じ建物内で接骨院が開業しているのです。この内科医院の院長は80歳近いです。そして、その院長の息子さんが接骨院を営んでいるのです。


もともとは内科医院を継がすために医学部を目指していたのですが、何浪しても医学部に合格できなかったため、やむを得ず専門学校に通って柔道整復士の資格を取得したそうです。


これだけなら「ふ~ん」で終わる話ですが、ここからがイケません。接骨院を訪れた患者さんに対して隣の(同じ建物の中にある)内科医院でレントゲンをバンバン撮っているのです。


内科医院でレントゲン撮影を施行しているので、ここまでなら倫理的な問題は別にしても法的な問題は無い(?)のでしょうが、その後の対応が本当に酷いです。


その柔道整復士さんに骨折は無いと「診断」された患者さんの中には、結構な頻度で骨折している方が存在します・・・。しかもほぼ100%の患者さんが骨折部に温熱療法を施術されています。


本来なら冷却するべきところを、受傷早期から骨折部に温熱療法を施行するので、患部の腫脹や痛みが半端ではありません。これって、一種の犯罪ではないでしょうか?


今まで、医院と接骨院を併設しているケースをいくつか見ましたが、親が整形外科医の場合はここまで酷くありません。しかし、内科医院併設の接骨院は救いようが無いです。


自分の子供が医学部に進学することが叶わずに、やむを得ず場当たり的に接骨院を開業させたのでしょうが、もう少し節度を守って(せめて社会に害を与えないで)欲しいと思いました。



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