先日、知り合いから、お子さんの股関節部痛について相談を受けました。朝起きたらいきなり右股関節が痛くなったそうです。


熱発はなく、股関節部痛以外は元気なようです。整形外科医であれば、この時点で単純性股関節炎である可能性が高いと予想がつきます。


実際、経過をみると単純性股関節炎のようでした。普段の外来で単純性股関節炎の症例は比較的高頻度ですが、だいたい初診から数日後に再診して終了というパターンが多いです。


このため、単純性股関節炎の経過はよく知っているものの、症状推移の詳細に関してはあまり深く知りませんでした。しかし、今回は逐一患児の様子を報告してきます(笑)。


あまり無下にできないので、話を聞いていると単純性股関節炎の自然経過が手に取るように分かりました。もちろん、大筋は私たちが外来で診ている流れと同じです。


しかし、例えば1日の中での痛みの増減では、起床時に疼痛が高度である印象を受けました。その後、時間の経過とともに疼痛は軽快して、夕方から夜になるとかなり軽減します。


そして、翌朝には少し疼痛が増悪して1日が始まるというパターンのようです。そうこうしながら、疼痛のレベルは漸減していきます。


なるほど、単純性股関節炎はこのような経過を辿るのか...。起床時に疼痛が増悪するのは関節リウマチのように関節の不動化が原因なのかもしれませんね。






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