Medical Tribune Vol.46, No.20で、夜勤経験のある女性で卵巣がんリスク上昇 という記事がありました。

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夜勤経験のある女性で卵巣がんリスク上昇
Occupational and Environmental medicine (2013; 70: 231-237)


・ 対象は米ワシントン州の浸潤性上皮性卵巣がん患者1101例、上皮性境界悪性腫瘍患者389例、対照群1832例を対象に症例対照研究を行い、夜勤経験の有無と卵巣がんリスクの関連を検討した

・ 被験者の年齢は35~74歳

・ 浸潤性上皮性卵巣がん患者の26.6%、上皮性境界悪性腫瘍患者の32.4%に夜勤経験があった

・ 対照群の夜勤経験者は22.5%であった

・ 全体の夜勤経験の平均年数は2.7~3.5年で、その主な職種は医療関係、外食サービス、電話交換手であった

・ 解析の結果、夜勤経験と卵巣がんリスクとの間に相関がみとめられ、日中勤務のみの女性と比べて夜勤経験のある女性では、浸潤性上皮性卵巣がんリスクが24%、上皮性境界悪性腫瘍リスクが48%高かった

・ 夜勤経験と卵巣がんリスクとの関連にはメラトニンが関与している可能性がある

・ メラトニンはエストロゲンなどの生殖系ホルモンの分泌を調整しており、通常は夜間に産生されるが、夜間の照明により産生が抑制される

・ メラトニンには有害なフリーラジカルを除去し、体内の抗酸化物質の産生を促す

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夜勤の多い医療関係者には厳しい研究結果ですね・・・。私自身の感覚でも、夜勤や当直業務は「命を削りながら」敢行しているイメージですが、図らずも統計学的研究でも実証されてしまいました。


なかなか難しい問題をはらんでいるのでこれ以上コメントしようがないのですが、医療関係者の犠牲の上に現在の医療制度が成り立っています。




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