先日、足関節脱臼骨折術後の抜釘術がありました。
今回は Lauge-Hansen分類のSE stage 4でした。


SE stage 4では周知のように内外果骨折に加えて、関節面の1/3を超える場合には後果骨片も整復固定する必要があります。しかも後果骨片は直接荷重がかかる部位です。


関節面の整復位が不十分だとあっという間に変形性足関節症に移行してしまいます。このため、内外果骨折以上に、後果骨折の整復固定には気を使います。


そして、初回手術から1年後の抜釘術時、私は試験の合格発表を見る時のような気分になってしまいます。1年前に自分が施行した手術の結果を確認する瞬間だからです。



後果骨片の整復状況は単純X線の足関節側面像で確認しますが、通常は外果のプレートや内果のスクリューや鋼線・軟鋼線のために、ほとんど判断できません。


そして、術後1年間不明であった後果骨片の整復状況が白日の下に晒されるのが抜釘術が終わった瞬間なのです。このため、私はSE stage 4の抜釘術を「合格発表」と呼んでいます(笑)。


いつもどきどきしながら術後の単純X線像を確認するのですが、この日は「合格」でした。足関節にOA所見を認めなかったので、悪くは無いハズと考えていましたがホッとしました。


主治医がこんなことを考えながら抜釘術を施行しているとは、患者さんは考えてもいないでしょう。術後の説明は「問題なく抜けました」ですが、本当は「問題なく治っています」ですね。


 

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