先日の 診療ガイドラインは危険な地雷 では、現在の日本において診療ガイドラインがいかに危険な存在になったのかを解説いたしました。


そして、
診療ガイドラインと並んで危険な存在として医薬品や医療機器の添付文書が挙げられます。添付文書は診療ガイドラインと同様に医療訴訟で判断する材料となるからです。



参考: 危険な診療ガイドラインおよび添付文書(過去のブログ記事)

高齢者の安全な薬物療法ガイドライン(指針)
免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン
某製薬会社によるMTXの添付文書



つまり、医療について素人の裁判官が医療訴訟で判断する材料は、
診療ガイドラインおよび添付文書であり、その記載内容が裁判における判断材料の「すべて」なのです。



医師が
診療ガイドラインや添付文書の記載内容に従わずに事故が発生した場合、従わなかった「合理的理由」を証明する必要がありますが、具体的には下記の3つの方法があります。


・ 文献
・ 鑑定
・ カルテ記載 



カルテ記載が最も簡便かつ有力な方法なので、私たちは
診療ガイドラインや添付文書の記載内容と異なる治療法の選択を行った理由を具体的かつ詳細にカルテに記載する必要があります。


この作業を怠ると医療訴訟の犠牲になる危険性が高まるので、
診療ガイドラインや添付文書の記載内容と異なる治療法を選択する場合は、カルテ記載の手間を惜しんではなりません。


 
医療訴訟では問題の本質が問われることよりも、医療の素人でも分かりやすい説明義務違反や
診療ガイドライン・添付文書の記載内容と異なる治療などが争点になりやすいです。


ベストを尽くしても結果が悪ければ足元をすくわれる危険性があるので、私たちは
診療ガイドラインや添付文書の記載内容を睨みながら、地雷を踏まないように診療を行う必要があります。




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