整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

嘔気

オピオイドが原因ではない嘔気

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私は1ヵ月を越える処方が予想される場合、鎮痛剤ではトラムセットを処方することが多いです。トラムセットはアセトアミノフェンとオピオイドの合剤なので、腎臓への負担が少ないからです。


トラムセットの副作用として、便秘と嘔気が最もメジャーです。便秘は個人差があるものの、重度であれば服用を中止するしか方法がありません。


一方、嘔気に関しては数日服用すると耐性ができて症状が軽減することがあります。このため、嘔気に関しては数日はがんばって服用してもらうことが多いです。


しかし、先日診察した患者さんで思わぬピットフォールがあることに気付きました。私は初回投与の際には1週間後に副作用の有無を確認するために再診してもらいます。


この際に、患者さんは嘔気があることを訴えられました。私は当然オピオイドの副作用である嘔気だと思ったのですが、ポロッと、胃が痛くてムカムカするとおっしゃられるではないですか!


つまり、この患者さんの嘔気はオピオイドの副作用ではなく、アセトアミノフェンによる消化管障害の症状だったのです・・・


トラムセットにおいて、「嘔気=オピオイドの副作用」のことが多いです。しかし、「嘔気=アセトアミノフェンによる消化管障害の症状」であることがときどきあります。


杓子定規に、嘔気=オピオイドの副作用と考えてナウゼリン等の制吐薬を処方するのではなく、胃部の圧痛などが無いかを確認する機転も必要だと思います。




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報告を鵜呑みにせず、診察をしよう!

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今日は午前中に有給休暇を使ってランチを食べた後に重役出勤しました(笑)。
たまには、こういった変則的な勤務も良いものですね。


さて病院に到着すると、「患者さんがお昼過ぎから頭痛・嘔気を訴え始めました。血圧がSBP>180mmHgなので、指示にあるへルベッサーを処方してください」という連絡がありました。


担当看護師さんは、高血圧→頭痛・嘔気という図式を考えていたようです。しかし、この方は降圧薬による治療中ではあるものの、血圧コントロールは比較的良好で普段は正常範囲内です。


おかしいなあ?と思って診察すると心窩部に圧痛ありました。高血圧による頭痛・嘔気ではなく、嘔気・胃痛のため血圧が高くなったのかもしれません。


このあたりを考慮して本日は絶食として補液を行い、明朝まで経過観察することにしました。今回のケースは、「 胃腸炎 → 嘔気 → 血圧が上昇 → 頭痛 」という可能性を否定できません。


忙しいと病棟看護師さんの報告を鵜呑みにして指示を出しがちですが、やはりできるだけ時間を見つけて患者さんを診察して判断するべきだと思いました。


しかし実際問題として、常時20名以上の入院患者さんを抱えていると、全ての場面で基本に忠実となるのは、なかなか難しいことではありますが・・・。


高齢者の熱発は要注意 につづく



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外来での”気分悪い・・・”を防ぐ方法

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昨日の午前は、出張先での外来でした。
打撲による肘関節血腫の小学生の男児が受診しました。


かなり痛そうだったので関節穿刺を施行したところ、”気分が悪い・・・”と言い出しました。顔面蒼白で、いわゆる疼痛性の迷走神経反射です。迷走神経反射とは痛みや不安などが誘因となって、副交感神経である迷走神経の働きが優位になった状態です。


副交感神経である迷走神経が優位になると、心拍数が落ちて末梢血管が拡張するので血圧が低下します。このため嘔気や気分不良をおこしてしまうのです。このような場合には、診察ベッドに臥床させて下肢を挙上すれば速やかに症状は軽快します。


迷走神経反射は、骨折整復などの痛みを伴う処置を頻回に行う整形外科外来ではよく見かけます。私は橈骨遠位端骨折などの徒手整復の場合には、あらかじめベッドの上に患者さんを臥床させた状態で整復を施行します。こうすることで、迷走神経反射を併発しても嘔気や気分不良を自覚しないのです。


しかし、今回の関節穿刺は誤算でした。よもや関節穿刺程度で迷走神経反射を併発するとは思わなかったのです。たしかに男児は女児に比べて痛みに弱い傾向があるので、子供の場合には関節穿刺であっても臥床して施行する方が望ましいのかなと思いました。




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