昨日の午後のことですが病棟回診をしていると、近くの小学校から遊具から転落した8歳の小学生が肘を痛がっているでの診察して欲しいという電話が掛かってきました。


診察すると肘関節外側から前腕尺側にかけて腫脹があったので、モンテジア(Monteggia)骨折を疑って前腕の単純X線像をオーダーしました。案の定、Bado type 1のモンテジア骨折でした。


新鮮例の場合、整復は比較的容易なので保存治療が可能なケースが多いです。前腕を回外位として骨間膜を緊張させて前腕を長軸方向に牽引しながら尺骨短縮や屈曲変形を矯正します。


同時に母指を用いて脱臼している橈骨頭を押し込むと整復されます。整復後はギプス固定を行いますが、前腕回外位で骨間膜を緊張させて肘関節屈曲位(100度程度)にして固定します。


充分な仮骨形成が見られるまで4~6週間程度ギプス固定を施行しています。私は橈骨頭の再脱臼が怖いので、受傷後1~2週程度は単純X線像での確認を頻回に行っています。


成人のモンテジア骨折では橈骨頭の整復位保持が困難なので手術治療が必要になることが多いですが、小児の新鮮例であれば保存治療が充分に可能だと思います。


尚、陳旧例は治療が厄介です。よく言われるように尺骨骨折に目を奪われて橈骨頭脱臼を見逃しがちなので、尺骨単独骨折では橈骨頭の脱臼が無いかを常に確認する必要があると思います。




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