整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来

消毒はヒビテンではなくイソジンで

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外来では日常的に膝関節注射を施行しています。
私の場合、待ち時間短縮のために、両膝であれば座位のままFT関節外側から刺入します。


両膝の関節注射では、消毒液の殺菌効果を高めるために両膝を同時に消毒しています。消毒液の殺菌能力が最大限発揮されるには、塗布後数分を要するからです。


さて、先日のことですが何気なく消毒しようとすると、イソジンではなくヒビテンが出てきました。ぼんやりしていたので、皮膚に塗布するまで気付きませんでした(苦笑)。


殺菌能力はイソジンと同等だから問題ないかと思いましたが、これが大きな間違いでした。最初の右膝の関節注射の際には特に問題ありませんでした。


しかし、左膝の関節注射をしようとして、はたと手が止まってしまいました。左膝のどこを消毒したのか分からなくなったのです・・・。


斜めから見てどこかにヒビテンの残像がないかなと探しましたが、はっきりと自信をもって、ココを消毒しました!という確証を持てないのです。


結局、もう一度イソジンで消毒しなおす羽目になってしまいました。ああっ、時間のロスです。関節注射の時には、色が付いているイソジンの方が便利であることを初めて認識しました。


些細なことですが、関節注射や手術の際にヒビテンではなくイソジンが頻用される理由がようやく分かった気がします。やはり、色って重要なのですね。




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MCL損傷固定はギプスシャーレで

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先日、高所から飛び降りてから膝が痛いという小学生の診察を行いました。
診察すると大腿骨内顆部に軽度の腫脹およびかなりの圧痛を認めます。


関節内血腫は無さそうで、単純X線像でも明らかな骨折を認めません。一応、MRIを施行することにしましたが、総合的に考えると膝関節内側側副靭帯損傷(MCL損傷)だと思います。


MRI撮像予定まで1週間近くあったので、とりあえず外固定を施行することになりました。 MCL損傷単独損傷では膝関節軽度屈曲位として大腿部から下腿遠位までのシーネ固定で十分です。


しかし、実臨床において下肢シーネをしっかりと作成することは意外と難しいです。 大腿部をしっかり固定するためにはそれなりの幅のあるシーネを作成する必要があるからです。


成人の大腿部を十分に被覆できる幅の既製品のシーネが無いことはもちろん、少し大きめの小学生であっても既製品のシーネでは充分に固定できないケースが多いです。 



理想を言えば大腿周径の半分の幅のシーネが必要です。しかし、最も大型のシーネでも成人の大腿周径の1/3程度しか幅がありません。


このような場合、面倒なのですが私は下肢ギプスを巻くようにしています。一旦ギプスを巻いてから、その場でギプスをカットしてシャーレにします。


こうすることで成人の大腿であっても周径の半分の幅を確保できるため、十分な固定性のある下肢シーネを作成することが可能となります。


コストはギプスもシーネも同じ点数なので、患者さんの医療費負担は変わりません。私の手間は増えますが、既製品による中途半端な下肢シーネよりも数段治療効果が期待できます。


今回は、小学生なのでぎりぎり既製品のシーネでも対応可能でしたが、未成年の膝はできるだけしっかり治してあげたいという思いで、面倒ですがギプスをカットしたシャーレを作成しました。


ちょっとギプスを巻いてから切るのは少し面倒なのですが、将来有望(?)な未成年には可能なかぎり本格的な膝関節固定を心掛けたいものです。




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カルテは開示されるものと思うべし

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先日、アルバイト先で外来をしていると興味深いカルテを拝見しました。
患者さんの性格についての描写なのですが、ちょっとここでは書けない酷い表現です。


私にとっては初めてお会いする患者さんだったので、事前情報として前回カルテを参照していたのですが、これだけで相当身構えてしまいます。


そして、実際に診察室に入室してきた患者さんは、残念ながらカルテに記載されている通りの方でした・・・。かなり性格に難のある患者さんで、言っている内容も支離滅裂です。


延々と脈絡の無い話を続けるため外来がストップしてしまいました。それまで順調だった外来も急に待ち時間が長くなり、他の患者さんに多大な迷惑がかかりました。


ある程度カルテによる事前情報があったため被害はまだ少なかったですが、かなり慎重に対応しないと難しい患者さんでした。この場合、最も悪いのはこの患者さんです。


しかし、私はカルテの内容も問題視しました。カルテに記載されている内容は基本的に医師しか見ないので、患者さんは何を書かれているのか知る由もありません。


しかし、今回のような性格に異常性のある患者さんの場合、何かとトラブルが発生しがちです。そしてトラブルがエスカレートした場合には、カルテ開示を要求される可能性があります。


カルテを開示して、このような酷い内容が患者さんの目に触れると(客観的には本当のことであっても)問題がますますこじれてしまいます。


このように「カルテは開示されるもの」という前提で、記載内容を吟味するべきだと思います。例えば、私は「充分に理解していただくためには丁寧な説明が必要」等の記載を多用します。


これは「この患者さんには要注意」という一種の隠語なのですが、感情を排した表現なので裁判でカルテが開示されても裁判官の心証を悪くする可能性は低いと考えています。 





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外部記憶は非常に有用

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外来をしていると、イレギュラーな対応をしなければならないことが時々あります。
イレギュラーな対応は医療事故の原因のひとつなので私はできるだけ避けるようにしています。


それでも、どうしても対応をせざるを得ないことがありますが、そのような時に私は「外部記憶」を利用するようにしています。「外部記憶」とは簡単に言うとコメディカルの記憶力です。


例えば、外注検査のために当日には結果がでない場合、私は看護師さんと検査技師さんに「明日、検査結果を確認したかを声掛けしてください」とお願いします。


もちろん、カルテにも確認が必要なことを記載するので、長期間にわたって完全に検査結果の確認を怠る危険性はありません。しかし、検査結果は早く知るに越したことはありません。


声掛けをお願いした看護師さんと検査技師さんは、翌日に電話で私に知らせてくれます。別に声掛けを忘れたからと言って私が怒ることは無いのですが、律義に声掛けしてくれるのです。


このため、歳のためか(笑)自分の記憶力に自信がなくなってきているのですが、大過無く外来業務をこなすことができています。


皆、意外なほど律義なので、ありがたく思いながらコメディカルの方の外部記憶を使わせていただいています。これは、ある意味でチーム医療の亜型なのかもしれません。


ただし、これは仲の良いコメディカルの方にしか通用しないと思います。関係が薄い場合には、あっさり声掛けを忘れられるリスクが高くなるので注意が必要です。



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血圧計ターニケットで手術しました

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先日、アルバイト先でまったりしていると、ガラス片で手背を切った患者さんが飛び込みで来院されました。創自体は1cm程度なのですが、中指を充分に伸展することができませんでした。


創が小さいので分かりにくかったのですが、局麻下に内部を観察すると伸筋腱が断裂していました。伸筋腱損傷なので腱縫合術を行う必要があります。


その日はちょうど手術室の空き枠が無く、手術室を利用するためには数時間待機する必要があるとのことでした。この時点で既に15時過ぎだったので、う~んと唸ってしまいました。


受傷からの時間も考慮して、外来スペースで腱縫合術を施行することにしました。外来で腱縫合術を施行するにあたって、ターニケットをどのようにして調達するかという問題があります。


私は、血圧計をエア・ターニケットとして利用する場合が多いです。まず血圧計を上腕に巻いて通常通りに加圧します。この際に上肢であれば250mmHgまで加圧します。


そして250mmHgに達した時点でコッヘルで軽くクランプします。この操作によって血圧計をエア・ターニケットとして利用することが可能となります。


いくら伸筋腱の腱縫合術といえども、無血野にしておかないと細かい作業に支障を来たします。私は伸筋腱周囲の展開の際には駆血せず、腱縫合の時間帯のみ駆血します。


駆血時間は5~10分なので、無麻酔ですがターニケットペインもさほど訴えられません。エア・ターニケットが無くても駆血できるので、血圧計ターニケットを知っておいて損は無いと思います。



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