整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

外科医

外科医が縫合した腱損傷をどうするか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は出張先での外来でした。
連休明けなので休み中に救急受診された患者さんの残務処理が多かったです。


その中に母指伸筋腱損傷の方が居ました。この方はガラス片で母指基部を切創したのですが、当直の外科医が対応しました。カルテには伸筋腱も縫合したという記載がありました。


整形外科医が対応したのであれば、何の心配も無く外来フォローできます。しかし、外科ドクターだったのでどのような腱縫合を施行したのか少し不安になりました。


カルテにも「津下法やケスラー法で腱縫合した」という記載はもちろんありません・・・。一応、本日の時点では母指伸筋腱の緊張も保たれているようです。


もちろん、当直に来られていたアルバイトの外科ドクターに連絡を取ることを試みましたが、連休明けの極度に忙しい午前中に捕まるハズがありません。


いまさら創を開けて腱の状態を確認するわけにもいかないのでどうしようか少し悩ましたが、このまま母指伸展位固定で経過観察することにしました。


外来が終了してからこの対応で問題無かったかを振り返りましたが、やはりこれ以外の方法を思いつきませんでした。もし創を開けて腱縫合が問題無ければ、患者さんの不利益になりますから・・・。


経過の途中で再断裂してもその時点で気付けば、腱再縫合もしくは腱移行で充分に対応できます。このことも創を開けずに母指伸展位固定で経過観察することにした理由のひとつです。


外来をしているとイレギュラーなことが頻発します。このようなことは教科書には載っていないので、状況を見て柔軟に対応できるよう常に心掛けなければならないなと思いました。




             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








外科医の使用したソフトシーネは再利用しましょう!

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日の午前は外来でした。
月曜日の外来は、日曜日に救急受診した患者さんの対応に追われています。


私が勤めている病院は外科医が当直してくれているので、余程のことが無い限り休日を返上しなくてよいのがありがたいです。しかし、外科系の急患は圧倒的に整形外科関連が多いのも事実です。


橈骨遠位端骨折や足関節外側靭帯損傷の患者さんが多いので、基本的には外固定が必要となります。初診時からオルソグラスで固定できればベストなのですが、なかなかそこまで施行できる方は居ません。


そこで、ソフトシーネの出番となります。このシーネは簡単に曲げることができるため、他科の医師が整形外科患者さんの外固定を施行する場合には重宝されます。


しかし、固定性が不十分で本格的に治療するには役不足なので、整形外科医がこれを用いることはありません。つまり、ソフトシーネの寿命は救急での初診から整形外科医の診察までの極短時間のみです。


整形外科医の診察の時点で、新しいシーネ固定かギプス固定を施行されるので、使用済みのソフトシーネは破棄されます。しかし1~2日しか使用しておらず綺麗な状態のものが多いです。


おまけに外固定の点数もソフトシーネもしくはオルソグラス・ギプスのどちらかしか算定できません。つまり、ソフトシーネの材料代が病院の持ち出しになっているのです。


そこで、最近では使用済みのソフトシーネをまっすぐに直して、外科医が再利用できるようにしています。コスト削減と資源の再利用を兼ねた業務改善です。


これで思う存分、当直の外科医には救急で外固定を施行してもらえます(笑)。ただし、看護師さんにしっかり伝達しておかないと、知らない間に破棄されることが多々あります・・・。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    

          
          整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)


一流の心臓外科医になるための条件とは

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribune (2013.1.10)で、「一流の心臓外科医になるための条件とは」 という対談記事がありました。

----------------------------------------------------------------------


須磨ハートクリニック院長 須磨久善先生と順天堂大学心臓血管外科教授 天野篤先生の対談です。


・ 心臓血管外科医の場合、その施設での手術件数が年間150-180例程度が若い医師のトレーニングに適した症例数である

・ それ以上の症例数ではその場限りで、処理しきれないとのことです

・ 天野先生が30歳のころは、大学内でいつになったら執刀できるのか、全く約束事はなかったそうです

・ 天野先生は手術オンリーに特化していて、患者さんとのコミュニケーションや患者管理は若手医師に任せています

・ そうしたことがきちんとできて手術の中でも何かを獲得しようと努力している人や、患者さんの機能や術後の予後を少しでも良くしようという姿勢が見える人にチャンスを与えるそうです

・ 基本的に外科医はアスリートなので体力を付けておくことは必須条件である


----------------------------------------------------------------------


やはり、心臓血管外科は厳しい科ですね。やる気はもちろんですが、ある程度運がないと一流の外科医になれるチャンスが少ないように思えます。


不謹慎ですが、整形外科医を選んで良かったなと感じました。


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。