先日、アルバイト先で外来をしていると、数日前から誘因なく右頚部から後頭部が痛いという患者さんが受診されました。


最初に脳神経外科の診察を受けましたが、頭蓋内は異常無しとのことで、気になるようなら整形外科受診をしたら? と言われたそうです。


診察室に入ってきた際に「今日は首が痛いのですか?」と声をかけたところ、患者さんの襟元に発疹および水疱があることに気付きました。一見して帯状疱疹ではないですか・・・。


念のため後頭部を確認したところ、きれいに右側の大後頭神経に沿って発疹を形成しています。餅は餅屋ということで、整形外科はキャンセルして皮膚科に行ってもらうことにしました。


今回はたまたま私が診察したので帯状疱疹が発見されましたが、ご本人は湿布かぶれだと思っていたようで危なく見逃されるところでした。


脳神経外科医師の着目点は画像と神経学的所見がメインなのでしょうが、今回のケースは患者さんの顔を見れば一目で分かる身体所見です。


確かに脳神経外科医からすれば帯状疱疹は他科疾患だと思いますが、頚部~後頭部の痛みは整形外科へという方程式に、少しバリエーションを加えて欲しいと思いました。



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Critical thinking脊椎外科