先週、70歳台後半の方が肩関節脱臼骨折で初診されました。
上腕骨近位端骨折は4 part骨折でした。
透視下に脱臼整復を試みましたが、上腕骨頭の関節面が飜転しており徒手整復は不能でした。やむを得ず、肩関節人工骨頭挿入術を施行することになりました。
deltopectral approachで進入して肩関節を先方から展開しました。小結節骨片周囲を剥離して内側に排除した後、飜転した上腕骨頭を摘出しました。
ここまでくると肩関節の展開は容易になりますが、大結節骨片の可動性を獲得するところがこの手術の最大のポイントだと思います。
大結節骨片は棘上筋や棘下筋に牽引されて後上方に転位していることが多いです。肩関節の前方から進入している関係から、大結節骨片周囲の操作が非常にやり辛いのです。
しかし、ここで大結節骨片周囲の剥離の手を緩めると、最終的にステムを挿入した後に大結節骨片が寄らずに苦労することになります。
したがって、ステムを早く挿入したいという逸る気持ちを抑えつつ、入念に大結節周囲の剥離をすることで、最終的に大・小結節骨片の解剖学的整復を得られるようにするべきだと思いました。
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