整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

大腿骨転子下骨折

reverse obliquityの内固定選択は?

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先日、大腿骨転子下骨折(reverse obliquity)の手術がありました。reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折はご存知のように難しい骨折です。


大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)では、reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折はすべての転子部・転子下骨折の5%の頻度です。



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不十分な整復や不適切なインプラント選択によって手術成績は不良になる傾向にあります。ガイドラインでは、short femoral nail(Gammaタイプ)とCHSは非推奨です。


確かに、普通に考えてshort femoral nail で十分な固定性を得られるとは到底思えません。では、どのような内固定材料を選択すればよいかと言うと難しい問題です。


候補としては、long femoral nail(Gammaタイプ)が挙げられます。しかし、この内固定材料の難点は、ネイル径とネイル長にバリュエーションが無いことです。


あまり選択肢が無いため、症例にかかわらずほぼ決め打ちにならざるを得ないのが最大の問題点だと思います。


しかし、reverse obliquity 型の大腿骨転子下骨折では、消去法的にいくとCHSも含めてlong femoral nail(Gammaタイプ)しか選択の余地が無いです。なかなか悩ましいですね。








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大腿骨転子下骨折のピットフォール

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昨日は、大腿骨転子下骨折に対する骨折観血的手術でした。
大腿骨転子下骨折は、不安定性が強いので髄内釘の良い適応です。


しかし、通常の大腿骨転子部骨折や大腿骨骨幹部骨折と異なり、下記のようないくつかのピットフォールがあるので注意を要します。


まず、髄内釘のエントリーポイントですが、通常よりも前方から刺入することを心掛けます。これは大腿骨が前弯してことに起因する jamming を防ぐためです。


大腿骨転子部骨折ではショートネイルのため、大腿骨骨幹部骨折では中央で骨折しているので、髄内釘を挿入する際にも大腿骨前弯は問題になりません。


しかし、大腿骨転子下骨折ではストレートに大腿骨前弯が髄内釘に影響を与えるので、エントリーポイントが重要となるのです。


もう一点は遠位の横裸子の刺入です。通常、ラジオ・ルーセントドリルでドリリングしますが、大腿骨顆部と異なり、イスムスに近い部位は高齢者であっても皮質骨がしっかりしています。


したがって、キリで取っ掛かりを作ることも一苦労で、大腿骨顆部に横裸子を挿入する安易な感覚でいると、少し苦労するかもしれません。



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ビスホスホネート製剤と非定型骨折

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2005年にOdvinaらによって報告されてから、ビスホスホネート製剤(BP)と非定型骨折の関連性が指摘されています。2010年に米国骨代謝学会(ASBMR)が診断基準を明確にしました。


非定型骨折の臨床的特徴は下記のごとくです。
① 5年以上のBP使用により、大腿骨頚部骨折・転子部骨折は有意に抑制される一方、転子下骨折や骨幹部骨折の発生率は有意に高くなる
② BPの長期使用により非定型骨折発生率は増加するが、使用中止により減少する
③ 大腿骨転子下骨折や骨幹部骨折の総数は横ばいであるが、ASBMRによる診断基準の主・小特徴を満たす非定型的大腿骨骨折の発生頻度は経年的に増加している


日常診療では、ビスホスホネート製剤(BP)使用例では、非定型骨折を念頭に置いて前駆症状としての大腿部痛や鼡径部痛の有無は問診しておく必要があります。単純X線像で大腿骨転子下の肥厚や左右差がみとめられた症例では、より注意が必要です。


ビスホスホネート製剤(BP)を5年以上使用した症例では、休薬・中止を検討するべきだとする意見が多いです。尚、非定型骨折の発生頻度は5.9/10万人であり、1例の非定型骨折発生につき30例の椎体骨折、5例の大腿骨近位部骨折を予防できる計算です。




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