整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

大腿骨近位部骨折

大腿骨近位部骨折後の膝関節水腫


大腿骨近位部骨折後に、同側の膝関節水腫を併発する症例をよく見かけます。
特に術後のリハビリテーションを開始してしばらくして併発することが多いです。


患者さんが患側を痛がってリハビリテーションが停滞するケースでは、意外なほど膝関節に水腫があることが多いのです。しかし、骨折部や創部の痛みだと思いこんでいると気付きにくいです。


では、なぜ大腿骨近位部骨折後に同側の膝関節水腫を併発するのでしょうか? 軽く調べた限りでは、これに関する文献を見つけることができませんでした。


そこで自分なりに推測してみました。まず、受傷時から膝関節水腫を発症している可能性です。しばらく注意しましたが、受傷時から膝関節水腫を併発している方はほとんど居ませんでした。


やはり、術後に膝関節水腫を併発することほとんどの印象です。ということは、術後の股関節部~大腿近位部の腫脹が、膝関節水腫の併発に関与している可能性があります。



大腿骨近位部骨折の手術によって局所の腫脹が発生
患側の静脈還流が低下する
患側の膝関節水腫を併発
 


上記のようなストーリーを考えてみました。これに加えて、受傷時からしばらく床上安静を強いられた後に、術後リハビリテーションでいきなり膝関節に負担がかかることも原因かもしれません。


いずれにせよ、術後に患側下肢を極度に痛がる場合には、骨折部だけではなく膝関節にも注意を払う必要があると思います。それが原因なら、対処は非常に簡単ですから・・・






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車椅子移乗が全介助は要注意?!


大腿骨近位部骨折は症例数が多いため、整形外科医的にはありふれた骨折です。しかし、超高齢者の大腿骨近位部骨折に関しては、いくつかピットフォールがあると感じています。


先日も90歳を軽く超える超高齢者が某施設から搬送されてきました。受傷前のADLは介助下に車椅子移乗だったとのことです。問診の段階で、この患者さんはさほど問題無しと判断しました。


私が最も警戒する超高齢者の大腿骨近位部骨折患者さんは、受傷前から股関節拘縮を併発している症例です。高度の股関節拘縮がベースにあると、手術施行不能であることがあります。


手術が可能であっても、遷延治癒や偽関節に至る可能性が通常の症例よりも高いです。典型的な症例はオムツ骨折だと思います。オムツ骨折は難治性なので常に警戒しています。


しかし、オムツ骨折を始めとする股関節拘縮がベースにある患者さんは、問診の段階である程度判断可能です。私の中の判断基準は「車椅子移乗が全介助か否か」です。


車椅子にある程度自力で移ることができるのであれば、股関節拘縮を併発している可能性は低いと判断できるからです。そして自力で移乗できない患者さんには注意する必要があります。 


ほとんどの症例で 「車椅子移乗が全介助か否か」の判断基準は有効ですが、一度だけ受傷前は独歩だったのに股関節拘縮がベースにある症例を経験しました。


う~ん、大腿骨近位部骨折と言えども奥が深いです・・・。未だに股関節拘縮が受傷前から存在しているか否かに過敏になっている私は少し病的なのかもしれません(笑)。 





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手軽に医業収入を上げる方法


勤務医と言えども、「結果」が問われる時代です。
この場合の「結果」とは、経営面でどれだけ病院に貢献しているか? を指します。


もちろん医師の本望は患者さんを治すことですが、医療機関も利益を上げなければ生き残っていけないので開業医でなくても医業収入を考えざるを得ません。


経営面で病院に貢献している(=高い医業収入を上げている)と、病院内での立場が強くなり労働環境が改善されるという副次的な効果もあります。


このため、勤務医であっても高レベルの医業収入を維持することは必須です。では、どうすれば効率良く高レベルの医業収入を維持できるのでしょうか?


答えは診療報酬体系にあります。基本的には、入院患者さんの点数>外来患者さんの点数という関係が成り立ちます。つまり、同じ時間を費やすなら入院患者さんに注力するべきです。


整形外科では7名の外来患者さんの診療をするよりも1名の患者さんを入院させる方が高い医業収入を獲得できます。このための最適解は「外来患者数は最小に、入院患者数は最大に」です。


歯を喰いしばって膨大な外来患者数をこなすより、入院患者数を増やすことに注力します。この場合、入院患者数が問題なのであって、どのような疾患で入院するのかは問題ではありません。


この観点からは、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんは入院期間が長期化する傾向にあるので、勤務医の立場からは「楽して結果を出せる」患者さんということになります。


若手医師は大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんは勉強にならないので嫌がるケースが多いです。しかし、長期間受け持てるので、私はこれらの患者さんが大好きです(笑)。


もちろん、自分の専門分野の患者さんを診療することを怠ってはいけませんが、私のレベルでは自分の専門分野の患者さんだけで高レベルの医業収入を上げ続けるのはなかなか難しいです。


したがって、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんを受け持つことで最低限の医業収入を維持しつつ、余力に応じて専門分野の患者さんの治療に注力しています。


この考え方は、「不動産で安定的な定期収入を稼ぎながら、医師として追加の給与収入を得る」という勤務医の経済的な必勝パターンと同じだと思います。



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調査で見えてくる治療の内実


先日、日本整形外科学会骨粗鬆症委員会の骨折調査事務局から平成26年度の大腿骨近位部骨折に関する調査票が送られてきました。


この調査は、全国の日整会認定施設に毎年送付されています。今年も送付されてきたので、非常に面倒なのですが症例の詳細を登録しました。


今回は人事異動の境目の時期だったので、私が全ての症例を登録しました。当然、私が執刀した症例だけではなく、他の医師の受け持ち症例があります。


この大腿骨近位部骨折に関する調査票から、受傷から手術までの日数や入院期間なども分かります。狭い院内にも関わらず、この2項目で医師間に大きな差があることに気付きました。


異動された医師は、受傷から手術までの期間が非常に短く、当日手術の割合が私以上に徹底されていました。う~ん、確かに思い返せばそのような傾向があったかもしれません。


一方、入院期間ですが、私の3ヶ月に比較してその医師は1ヶ月前後と非常に短い点に気付きました。これにはカラクリがあり、私は回復期病棟への転棟をルーチン化していたのです。


異動された医師も同じような方針で診療にあたっていると思っていましたが、この結果には驚きました。たしかに入院患者数は私の方が多かった気がします。


狭い院内なので、治療方針ぐらいはある程度統一しておく必要があるなと改めて思いました。これは、面倒な大腿骨近位部骨折に関する調査の意外な効用でした。



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若年男性は陰部神経麻痺に注意!


昨日の午後は、若年者の大腿骨頚部骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
単純X線像上はGarden stage 1でした。


大腿骨近位部骨折では牽引手術台を使用するケースが多いです。高齢者ではあまり問題にならないですが、牽引手術台の問題点として男性患者に陰部神経麻痺を併発することがあります。


特に若年男性は筋肉量が多いため、かなり牽引を掛けないと整復されないケースが多いです。しかし牽引を掛けすぎると、陰部神経麻痺を併発する可能性が高まるのが難しいところです。


大腿骨頚部骨折は転子部骨折や骨幹部骨折と比べて、牽引力が少なくても整復できる可能性があります。特に若年男性はできるだけ牽引を掛けないで手術を終了させることが重要です。


大腿骨頚部骨折はありふれた外傷なので、いつもと同じ感覚で牽引しがちですが、若年男性では陰部神経麻痺が併発する可能性を常に考えておく必要があります。


若年男性に陰部神経麻痺を併発すると、かなり問題が大きくなります。その方の人生を台無しにしないためにも整形外科医としては充分に注意を払うべきだと思います。



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