整形外科医のブログ

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大転子部

弾発股の治療って歯切れ悪いですね

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先日の外来で、40歳台女性が左殿部に変な音が鳴るという主訴で初診されました。
診察すると、股関節屈伸時に僅かにクリックを触知するような気がします。


本当に僅かなクリックなのですが、ご本人にははっきりと感じるようです。クリック時に軽い痛みがあり、大転子部に軽度の圧痛がありました。いわゆる弾発股だと思います。


弾発股はそれほどよく見かける疾患ではなく、私自身も数例しか診察した経験がありません。股関節学で調べてみると、弾発股には原因によって下記の3つの型に分類されるそうです。


1. 外側型
2. 内側型
3. 関節内型


①の外側型は最も頻度が高くて、腸脛靭帯後方や大殿筋前方繊維が股関節の屈伸に伴って大転子を乗り越える際に弾発現象を生じさせます。


治療は、弾発現象が出現して間もない時期は安静を指示しますが、慢性に移行するとステロイドを大転子部の滑液包内に注射します。今回の方もステロイドの滑液包注射で少し軽快しました。


②の内側型は腸腰筋腱が腸恥隆起を乗り越えることが原因だそうですが、私は診たことがありません。ちなみに腸恥隆起は、寛骨臼回転骨切術(RAO)の際に恥骨骨切の指標となります。


③の関節内型は関節唇損傷や関節遊離体によって関節のひっかかりが出現するようです。股関節ロッキングの患者さんはたまに居ますが、クリックが主訴の患者さんは多くない印象です。


私自身は①の外側型弾発股しか治療経験が無いですが、患者さん自身もさほど困っていないので、何となく治療が終了してしまいます。医師としては、いまいち釈然としない疾患です。



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大転子部の滑液包炎

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今日の午前は、アルバイト先での外来でした。
40歳台の男性が左股関節部痛を訴えて初診されました。


これぐらいの年代の男性が”股関節部痛”で受診することは比較的珍しいと思います。そして”股関節部痛”といっても、よくよく聞くと殿部痛だったりすることが多いです。


しかし今回の方は”股関節部痛”でも”殿部痛”でもなく、股関節外側部の疼痛でした。触診すると大腿骨大転子部の無名結節に強い圧痛を認めました。


発赤は無いものの、軽度の腫脹・熱感を認めます。股関節を他動的に動かしても轢音を触知しないため弾発股ではなさそうです。単純X線像で異状所見を認めませんでした。


しかし、血液生化学所見でCRP/WBCの軽度上昇を認めました。これらの所見を総合的に判断して、大転子部の化膿性滑液包炎を疑いました。


今回は熱発もなく局所で滑液の貯留もさほど無さそうなので、あえて穿刺は行っていません。治療は抗生剤投与ですが、反応を確認しながら投与期間を判断するつもりです。



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