先日、日整会誌をパラパラ読んでいると、教育研修講座で自治医大の先生による「ブタ」の話題がありました。日整会誌にブタの話題?
読み進めると、ブタの実験動物としての有用性を説明されていました。興味が湧いたので実験動物としてのブタを調べてみました。
まず実験動物としては下記3種類が代表格です。日本ではイヌ、米国では僅差ですがサル、EUではブタが一番多く選択されています。
- サル
- イヌ
- ブタ
一般的に食用にされているブタは三元雑種といって、ヨークッシャー、ランドレース等の3種類の豚をかけあわせてブタです。これらのブタの特徴は、極めて早く成長することです。
食用ブタは家畜として供給システムが確立されていて1頭数万円程度と安価なので、内視鏡手術等の技術トレーニングでは、30kgサ イズの生後まもないブタが使われています。
一方、100kgを
越える食用ブタでは管理が難しいので、成長しても100kgを超えない「ミニブタ」というブタが、実験研究に使用されています。
ミニブタは、食用ブタのように大きくなりません。肉がたくさん取れないので食用されず、実験用にしか飼育されないので、1頭20万円前後と生産コストが高くつきます。
マウスではES細胞を使ってノックアウト・マウスを作成されていますが、最近ではノックアウト・ブタも作成できるようになりました。
遺伝子的にはブタはヒトから遠く、むしろマウスの方がヒトに近いそうです。一方、解剖学的、生理学的にはヒトに近いです。
臨床で用いるためには、解剖学的、生理学的に近い方が有利です。このため、最近ではブタに注目が集まっているそうです。
そういえば、関節鏡のトレーニングは、ブタが使用されることが多いことに気付きました。なるほど、私たちもブタの御世話になっているんですね。