整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

小児

ステリストリップは幅広を選択しよう!

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小児の外傷で縫合な必要なケースでも、創が小さい場合にはステリストリップのようなテープ材で対応することが比較的多いと思います。


この場合のポイントは、いかにして創周囲を乾燥した状態でステリストリップを貼付するかですが、実はそれだけではなくステリストリップの幅にも注意する必要があります。


ステリストリップのサイズは12mm、6mm、3mm幅の3種類ですが、小児の創は小さいことが多く、思わず3mm幅のステリストリップを選択してしまいがちです。


しかし、3mm幅のステリストリップは、粘着力が弱いのでお勧めできません。翌日にガーゼ交換する際に、粘着力が弱いためすぐに剥がれてしまうことが多いです。


創が小さくても、6mm幅以上のステリストリップを選択するべきだと思います。1cmぐらいの裂創ではステリストリップで創が覆われてしまいますが、意に介する必要はありません。


特に12mmのステリストリップは強力な粘着力です。ステリストリップのみで創を治す場合には、見栄えは悪いですができるだけ幅の広いステリストリップを選択するようにしましょう。




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踵部やアキレス腱部挫創は難治性

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小さな子供が自転車の車輪に足を巻き込まれる事故は非常に多いと思います。感覚的には2~3ヶ月に一度ぐらいは診察する機会があります。ほとんどの患児は踵部の挫創です。


踵部やアキレス腱部の挫創は小児といえどもなかなか治癒しないので、結構長い間通院されている印象を受けます。この部位の外傷は
degloving損傷と類似の病態なのかもしれません。


通常、骨折を併発することは少ないですが、ときどき脛骨遠位端の若木骨折や脛骨遠位骨端離開を併発することがあるので注意が必要です。


小児の自転車車輪への足部巻込み事故では骨折は無いというジンクス(?)は存在しません。このため、踵部やアキレス腱部の外傷を外科医のみに任せることは危険だと思います。


踵部が自転車の車輪に巻き込まれるということは、かなり強力な捻れの力が足部に加わることになるので骨折を併発してもおかしくないのです。


骨折が無い場合には創処置を続けて治癒するのを待ちますが、夜診などで日替わり担当医に任せきりだと、デュオアクティブ貼付などの処置が延々と続けられるケースが多いです。


踵部やアキレス腱部は、小児であっても治癒し難い部位であることを念頭に、きっちりと段階を踏んだ創処置を行うべきだと思います。



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患児を泣かせない診察

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
試してみたくなる「泣かせない予防接種」 です。




今や日常の小児科診療で最も回数の多い医療処置となった予防接種。間もなくやってくるインフルエンザシーズン前には,普段よりさらに混雑する予防接種外来に子供の泣き叫ぶ声が響き渡る。しかし「子供が予防接種で泣いたり,パニックになったりするのは仕方がない」と諦めている(?)医師は少なくない。


横井こどもクリニック(東京都)院長の横井茂夫氏は3年ほど前から,予防接種への不安が高まる幼児期以降の子供に「泣かせない予防接種」を始めた。「子供が泣かないだけでなく,さまざまな副次効果もある。ぜひ多くの先生に試してほしい」と話す同氏に,その実際を聞いた。


横井氏が「泣かせない予防接種」を始めたきっかけは,日本外来小児科学会の教育検討会で医師約100人に実施した調査。「"ねぇ先生,注射しないよね?"と繰り返す子供になんと答えていますか?」との質問に対し,「今日は注射するけど,泣いてもいいよ」 「ひどく抵抗する場合は帰ってもらう」など,回答はさまざま。


そんな中,同氏の目に留まったのが「"病気にならないために注射が必要"と説明し,大小の注射器を見せ"小さい方がいい"と言わせて大サービスで小さい注射をする」という回答だった。


早速実践してみたところ,効果てきめん。横井氏は,注射器は見せずに「今日の(予防接種名"○○")は大きいの,小さいのどちらにしますか?」と尋ねる。注射器を見せないのは,3歳ごろからは"注射"と聞くだけで怖くて泣いてしまう子もいるからだ。そして,子供は必ず「小さいの」と答える。本人の選択が納得につながる。 


また,接種前には「何年何組?」 「逆上がりはできる?」など次々と質問。答えさせることで不安軽減に努める。そして,注射の瞬間に医師が「おしまい!」と大声で知らせ,体の力が抜けたときに注射を済ませる。 


この方法,子供を泣かせない以外にも副次的効果があると同氏。最初の「大きい,小さい予防接種」を選ぶやりとりは,ワクチン名を復唱することで誤接種防止に役立つ。また「子供への質問と回答で,発達の問題も鑑別できる」と話す。


実践を始めてから3年,「大きいの,小さいの」の質問を分かって来院する子も増えてきた。そのため子供が①「大きいの!」と答える②「どちらでも」,中には③「大きいのを見せて」と答えるパターンが新たに出てきた,と笑う横井氏。


①には「看護師さん,大変だよなぁ。大きいのは重いし。持ってこられないんじゃないかな?」②には「でも,やっぱり大きいのは大変だから,小さいのにしない?」③には「お部屋に入らないくらいだから,見せるのは大変」−で納得してくれるそうだ。


こうした工夫をしても,やはり泣く子供もいる。その場合には「奥の手」がある,と横井氏。それは「終わった後,針のない注射器を子供に渡し,医師に注射のまねをさせる」。さらに簡単な方法として,ハイタッチで医師のてのひらを思い切りたたかせる「倍返し」を挙げる(写真)。注射の間の鬱憤をその場で晴らさせ「次には,落ち着いて予防接種を受けてくれる。それに"なんでパニックになるんだろう..."と親子で落ち込みながら帰ることもなくなる」と話す。



泣いてしまった時の奥の手




また,一連の工夫には,医学教育で御法度の「うそをつく(ごまかす)」 「駆け引きをする」が含まれている。「臨床研究で有効性を評価しようにも,倫理審査が通らない。手術や点滴では説明と同意が必要だが,予防接種では"少し痛いよ"と説明するほど,子供は怖がるだけ。"思いやりと納得"で泣かせない手技が可能なら,実臨床では十分」と説明する。


「そんな時間がない」と思う人もいるかもしれない。泣く子供を接種の姿勢に持っていくまでの時間や労力を考えると,やってみる価値は十分と同氏。「ぜひ"100人連続泣かせない"予防接種に挑戦してほしい」と呼びかけている。





この記事を拝読して非常に感銘を受けました。医師は医療だけをやっていれば良いという割り切りも大事ですが、患児や両親の心にまで踏み込む横井先生は立派だと思います。


そして何気ない日常診療においても探究心と業務効率の向上を志す気持ちに好感を持てます。いつも私は子供の診察を機械的に行っていますが、試しに横井先生の真似をしてみました。


症例は、上腕骨外顆骨折の患児です。単純X線像上でほとんど転位が無く骨幹端の皮質がやや不整ある以外は所見がありません。画像だけでは骨折の有無の判断も難しいです。


しかし、患側の肘関節は著明に腫脹しています。上腕骨顆上骨折と上腕骨外顆骨折ではフォローの頻度や慎重さも大きく異なります。このため、確実な診断が求められます。


この症例では身体所見が全てなので、念入りに診察を試みました。しかし患児は4歳で、白衣の私を見ただけで怯えた目になりました。う~ん、どうやったら横井先生みたいにできるのだろう?


確認したいポイントは上腕骨顆上部内側には圧痛が無いことです。そこで、健側肘関節を「痛くないだろう~」と言って”軽く”触診しました。次は患側の上腕骨顆上部内側を触診です。


「痛くないよね~」と言いながら、念入りに触診しましたが、さほど痛がりません。そして最終で上腕骨外顆部をごく軽く触診したところ、大泣きされてしまいました・・・


最大の目的である「上腕骨外顆骨折という診断」はつきましたが、患児を泣かせてしまうようではまだまだ修行が足りないようです。



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小児の自転車後輪への巻き込み事故

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昨日は夜診をしていました。自転車の後部座席に乗っていた際、後輪に足を巻き込まれて足が腫れたという幼稚園児が受診しました。


小さな子供が自転車の車輪に足を巻き込まれる事故は非常に多いと思います。感覚的には2~3ヶ月に一度ぐらいは診察する機会があります。ほとんどの患児は踵部の挫創です。


踵部やアキレス腱部の挫創は小児といえどもなかなか治癒しないので、結構長い間通院されている印象を受けます。ただ、骨折を併発することはあまり経験したことがありません。


しかし、昨日の幼稚園児は踵部の挫創だけではなく、足関節外果の腫脹・圧痛が著明で、単純X線像を確認すると腓骨遠位骨端離開を併発していました。


小さな子供の自転車車輪への足部巻込み事故において、骨折は無いという私の思い込みは、どうもあまり正しくないようです・・・。


よく考えてみれば足部が自転車の車輪に巻き込まれるということは、かなり強力な捻れの力が足部に加わることになるので、骨折を併発してもおかしくないんですね。



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「禁忌」と「禁止」の違い

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添付文書で人工呼吸管理下の小児への投与が禁忌とされているプロポフォールが使用されて、患児が死亡したという東京女子医科大学病院事件の報道が相次いでいます。


これを受けて日本集中治療医学会は、会員向けに理事会声明と国内の学会認定施設における小児集中治療患者への使用の実態調査を公表しました。


これによると、鎮静を目的とした小児へのプロポフォール使用は、全体の19%の施設(20施設)で行われており、東京女子医科大学病院の事例は決して稀なことではないという結果でした。


小児の集中治療における人工呼吸中の鎮静を目的としたプロポフォール使用が禁忌とされている理由は、持続投与による致死的合併症が成人に先行して報告されたことが原因だそうです。


同学会は、声明の中で「禁忌」とは「禁止」とは違い、医師の裁量を法的に束縛する用語ではないと説明しています。このニュースを知って、心の中のモヤモヤがスッキリしました。


私には小児へのプロポフォール使用の是非は分かりませんが、「禁忌」という言葉が独り歩きして東京女子医大への過剰なバッシングが発生している可能性があると思います。


整形外科領域ではMTXの「禁忌」事件が有名です。ご存知のように某製薬会社が保身のために医学的根拠を示さないまま勝手にMTXの「禁忌」事項を追加してしまいました。


つまり私達医師サイドから見ると、「禁忌」とは製薬会社が自己保身のために使う免罪符に過ぎず、本当に臨床的・学術的に正しいのかは分からない項目です。


しかし、医学界の実情を知らない一般の方の間では、「禁忌」という字面の禍々しさのため、あたかも「禁忌」=「禁止」であるという誤った概念が独り歩きしているのが実情だと思います。


膨大な薬剤情報の全てをリアルタイムに適正化することは至難の技だと思いますが、医学的根拠の低い「禁忌」事項を放置しておくことは、医師にも患者にも不幸なことだと思います。



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



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