透視を使用する骨折手術の際には、プロテクターを着用すると思います。
しかし、プロテクターは結構重いので、長時間着用していると肩が凝ります。


そうは言っても術中の被爆を防ぐためにはプロテクター着用が必須です。必要性は高いものの鬱陶しいプロテクターなのですが、以前勤務していた病院で興味深いモノがありました。


何と、このプロテクターは術中に清潔の状態で脱ぐことが可能なのです。どのようなプロテクターかと言うと下の画像のようなもので、肩ベルト部分をタスキ状にして着用します。


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そして、術中透視が不要な段階になったら、清潔ガウンの上からストラップ部分を剥がして床面にプロテクターを落とします。こうすることで清潔のまま、プロテクターを脱ぐことができるのです。


以前の病院では頚椎手術や多発外傷の手術で、このプロテクターを愛用していました。そして術中にプロテクターを脱ぐ行為が習慣化し、今では大腿骨近位部骨折の手術でも脱皮しています。


実は画像のプロテクターは、腋窩部のベルトをハサミで切っています。最初、放射線技師さんには「本当に切るんですか?」とかなり訝しがられました。


しかし、構わずに腋窩ベルトを切って、”術中脱皮用プロテクター”として使用しています。今では放射線技師さんも慣れてきて、「また脱皮ですか」と軽口を叩くようになりました。


特に長時間の手術では、プロテクターを脱皮できることは非常に便利で快適です。プロテクターにハサミを入れるのは若干勇気が要りますが、快適な手術のためにお勧めの小枝情報です。



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