今日の午前は外来でした。
階段で滑り落ちて尾部を強打したという方が受診されました。


整形外科で外来をしていると、尾骨骨折の方を診る機会が多いと思います。しかし、身体所見からは骨折が強く疑われるにも関わらず、単純X線像ではっきりと骨折を判別できないケースが多いように思います。


尾骨骨折が疑われるにも関わらず骨折を認めない方は、尾椎間の関節面で尾骨が大きく腹側に弯曲しているケースが多い印象です。このことから尾骨の骨性損傷ではなく、関節面での亜脱臼が疼痛の原因になっている可能性があるのではないかと思うようになりました。


解剖学的に尾骨は、3-6個の尾椎が部分的にあるいは全面的に癒合して尾骨となり、数は不定ですが、3~5個が多いようです。一応側面像でのタイプ分類があるようですが、個人差が非常に大きいです。


従来、尾骨骨折は整形外科ではあまり省みられることが少ない部位です。ネットで調べてみてもしっかりとした文献的な記事はほぼ皆無であり、怪しげな接骨院のサイトばかりがヒットします。


そこで、いつものごとくPubMedで検索してみると・・・、Coccyx sprain  Coccyx classification  Coccygeal dislocationなどなど片っ端から検索しましたが、ほとんどヒットしませんでした。やはり、世界でもあまり研究対象になる分野ではないようです(笑)。


まあ、鎮痛剤処方と円座使用でほぼ問題なく治癒する外傷なので、骨折であっても亜脱臼であってもあまり関係無いとは思いますが、診断書に記載するときのみ注意が必要ですね。





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