整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

尾骨骨折

尾骨骨折の画像所見が分かりにくい理由

このエントリーをはてなブックマークに追加


身体所見で骨折の有無を判断する部位として、肋骨骨折と尾骨骨折が挙げられます。どちらも単純X線像の所見はさほど重要ではありません。


その理由のひとつは、両者とも骨折があっても画像上の所見を見つけにくいことだと思います。肋骨骨折の場合は、腹側に近いほど肋軟骨に移行するので骨折が分かりにくいです。


そうは言っても、整形外科医であれば肋骨骨折の画像所見は日常的に目にする機会が多いことでしょう。しかし、尾骨骨折についてはいかがでしょうか?


私は20年以上整形外科医をしていますが、実は尾骨骨折については「これは明らかに骨折している」と確信できるような画像所見をあまり診たことがありません。


画像所見が多少怪しくても、身体所見ではっきりと骨折の有無が分かるので特に困りませんが、常々なぜ尾骨骨折は画像所見で分かりにくいのだろう?と疑問に思っていました。


ところが、先日の症例では、(少なくともここ数年では初めて)尾骨の椎体部分で明らかに骨折が存在すると確信を持てる画像をみました。


身体所見は通常の尾骨骨折と変わりませんが、単純X線像で明らかな新鮮骨折です。尾骨骨折の画像所見はあまり記憶にないので、患者さんには悪いですが少し感動しました(笑)


その画像所見を改めて観察しながら、尾骨骨折が分かりにくい理由を考察してみました。尾骨骨折の好発部位は、尾骨の椎体間(?)だと思います。


この部分で「く」の字状に変形するので骨折の存在を疑いますが、骨折ではなく脱臼(?)に似た状態なので、椎体部で折れている所見をみることが少ないのではないでしょうか?






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








仙椎骨折の経肛門的徒手整復

このエントリーをはてなブックマークに追加


今日の午前は出張先での外来でした。
朝に出勤すると週間手術予定表が貼り出されているのでいつもチェックしています。


今週の月曜日は「仙椎骨折の徒手整復」という予定が入っていました。見たことが無い手技なので実際にどのような症例であったのかを常勤医師に確認しました。


画像を拝見したところ仙椎の一番下の方での前方への脱臼骨折でした。尾骨脱臼骨折と言ってもよいかもしれません。完全に骨の連続性が途絶していました。幅跳びをしていてお尻から着地して受傷したそうです。


小学生なので全身麻酔下に徒手整復したようで、肛門から指を入れて直腸越しに仙椎脱臼骨折部を触知して位置を確認した後にゆっくりと末梢骨片を背側に押すと容易に戻ったそうです。


仙椎・尾骨骨折の整復方法としては非常にメジャーですが、実際に経肛門的に徒手整復を施行して良好な整復位を獲得した症例を見たのは初めてです。


尾骨骨折や仙椎骨折は整復しにくいという先入観がありましたが、麻酔下ではどうもそうではないようです。明らかに骨の連続性が無い症例では徒手整復を検討してもよいのかもしれません。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    

          
          整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)


尾骨骨折ではなく尾骨亜脱臼?

このエントリーをはてなブックマークに追加
今日の午前は外来でした。
階段で滑り落ちて尾部を強打したという方が受診されました。


整形外科で外来をしていると、尾骨骨折の方を診る機会が多いと思います。しかし、身体所見からは骨折が強く疑われるにも関わらず、単純X線像ではっきりと骨折を判別できないケースが多いように思います。


尾骨骨折が疑われるにも関わらず骨折を認めない方は、尾椎間の関節面で尾骨が大きく腹側に弯曲しているケースが多い印象です。このことから尾骨の骨性損傷ではなく、関節面での亜脱臼が疼痛の原因になっている可能性があるのではないかと思うようになりました。


解剖学的に尾骨は、3-6個の尾椎が部分的にあるいは全面的に癒合して尾骨となり、数は不定ですが、3~5個が多いようです。一応側面像でのタイプ分類があるようですが、個人差が非常に大きいです。


従来、尾骨骨折は整形外科ではあまり省みられることが少ない部位です。ネットで調べてみてもしっかりとした文献的な記事はほぼ皆無であり、怪しげな接骨院のサイトばかりがヒットします。


そこで、いつものごとくPubMedで検索してみると・・・、Coccyx sprain  Coccyx classification  Coccygeal dislocationなどなど片っ端から検索しましたが、ほとんどヒットしませんでした。やはり、世界でもあまり研究対象になる分野ではないようです(笑)。


まあ、鎮痛剤処方と円座使用でほぼ問題なく治癒する外傷なので、骨折であっても亜脱臼であってもあまり関係無いとは思いますが、診断書に記載するときのみ注意が必要ですね。





 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。